四国化成工業、約45億円投じ丸亀工場で「不溶性硫黄」設備を増強

 四国化成工業(香川県丸亀市)は6月23日、ラジアルタイヤの原料である 不溶性硫黄への高い品質要求に対応するため、丸亀工場(香川県丸亀市港町)内に新たなプラントの建設を決定したと発表した。

 不溶性硫黄※ 1 はゴム分子を結合させる加硫剤※ 2 として使われる高分子の硫黄で、現在タイヤの主流となって いるラジアルタイヤ※ 3 の必須原料。タイヤ市場では安全性はもちろんのこと、乗り心地や低燃費性能、 耐久性能といった高機能タイヤを求める声が年々高まっており、その原料である不溶性硫黄にもより高い 品質が求められるようになってきた。新プラントでは、それらの市場要求に応えるべく高品質製品の 生産技術の開発を図るとともに拡販に向けた量産体制を整えていく。

 2023 年 4 月から建設工事を開始し、2024 年 10 月末までに完成、試運転を経て同年 12 月から本格的な 操業に入る予定。投資総額は約 45 億円を計画している。また、新プラントで使用する電力の一部は 自社内の太陽光発電から得た電力を活用することで、二酸化炭素(CO₂)の排出量削減、環境負荷の低減に 取り組んでいく。

 なお、今回の新プラント建設に伴い、生産能力は現在の約 1.2 倍になる予定で、新規雇用は 10 名程度を 計画している。

 不溶性硫黄は、製造工程で使われる二硫化炭素 ※ 4 の取り扱いに高度な技術が必要なうえ、製品自体にも 極めて高い品質が求められることから、世界でも主要メーカーは数社と限られており、世界第 2 位の不溶性 硫黄メーカーである同社製品の販売先も 7 割強が海外向けとなっている。

<新規生産設備の概要>

立地 :丸亀工場(香川県丸亀市港町147番地1

延床面積 :約1,020㎡(鉄骨ALC 5階建て)

工期 :2023年4月着工、2024年10月竣工、2024年12月 生産開始予定

投資総額:約45億円

 ※ 1 〜4など詳細は、ニュースリリース