四国化成工業、約16億円投じ徳島工場北島事業所で塩素化イソシアヌル酸の生産能力を増強

・世界中の水の衛生環境向上に貢献

 四国化成工業(香川県丸亀市)は6月23日、プール用殺菌消毒剤「ネオクロール」の主成分である塩素化イソシアヌル酸(*)の更なる需要拡大に対応するため、徳島工場北島事業所(徳島県板野郡北島町)内の旧プラントを活用し、同製品の生産能力を増強すると発表した。投資総額は約16億円を計画している。

 世界のニーズに対応した新たな製品を生み出すとともに、顧客への安定供給を目的に同事業所に建設を 進めていた塩素化イソシアヌル酸の生産設備「NEO2022」(延床面積:約3,850㎡、投資総額:約50億円)が 4月に完成し、7月からの本格稼働に向け準備を進めている。

 23日開催の取締役会において、新プラント 「 NEO2022」の稼働開始後に停止・撤去を予定していた旧プラントの一部を改修して活用することで、 拡大する塩素化イソシアヌル酸の需要に対応していくことを決定。これにより、2023年10月には工場全体で塩素化イソシアヌル酸の生産能力は「 NEO2022」稼働前の約1.6倍になる予定。

 塩素化イソシアヌル酸は有機化成品事業の主力製品であり、同事業は長期ビジョン「Challenge 1000」の中で 「2030年のありたい姿」として「環境・衛生を守り、世界中の人にキレイを届ける事業」を掲げている。 家庭の衛生意識の高まりから除菌・洗浄需要は更なる拡大が見込まれており、サニタリー商品をはじめとする高付加価値分野へと事業を拡大している。また、世界には今なお安全な水の確保が困難な地域も 多く、こうした社会課題の解決も求められている。同社の塩素化イソシアヌル酸は、水の衛生環境の改善 など水が使われる様々な場面において活躍の可能性を秘めており、引き続きグローバルに事業の拡大に 取り組んでいく。

 同社は長期ビジョン「 Challenge 1000 」の達成に向け、 積極的な成長投資を行っていく計画であり、 「 NEO2022」に続き、この増強もその一つに位置付けている。

* 塩素化イソシアヌル酸:主原料としてイソシアヌル酸と塩素を反応させた白色固体の塩素剤。 主にプールや浄化槽、家庭用サニタリー商品などの殺菌消毒薬剤として使用されている。

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