・安全性、作業環境、リライニング能力を大幅に向上させる LD 転炉(BOF)向け新型リライニング 設備
・詳細な検討を重ねた独自のソリューション
・2023 年夏の稼働開始を予定
プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies、PT社)は6月21日(ロンドン)、ブラジルのペセム製鉄会社(Companhia Siderúrgica do Pecém 以下、CSP)より、ブラジル北東部のセアラー州サン ゴンサーロ ド アマランテ ペセム近海工業地帯にある同社製鉄所向け新型リライニング設備を受注したと発表した。2016 年にPT社が納 入した 300 トン LD 転炉(BOF)2 基を備えた CSP のプラントは、年間 300 万トンのスラブ生産能力を 有している。
■オーダーメイドのリライニング設備
数年前、CSP はリライニング工程の安全性向上のため、新たなソリューションを模索していた。そ の第一歩として、PT社は CSP とともに包括的なケーススタディを行い、既存のリライニング手順の限 界と問題点を分析した上で、新しいリライニングソリューションを開発した。新しいリライニング 設備は、ベース構造、リフティングユニット、ウィンチ吊下げ式作業プラットフォーム、パレット・人 員兼用エレベーター、フィーディングユニットで構成され、転炉の上部(転炉口)からアクセスするこ とが可能。ライニング材は、パレット・人員兼用エレベーターを介して供給される。
CSP プラントの LD 転炉は、底部が固定されているが、新しいリライニング設備では、レンガや攪拌 栓を搬入して底部リライニングを行うことができる。作業プラットフォーム上と下部の両方で荷降ろし可能なエレベーターが、この特許出願中のプロセスを可能にしている。2 台の電動ウインチ駆動の作業台は、レンガの輪郭線に合わせて台径が調整できるため、任意の位置に設置することができる。また、このリライニング設備は可動式なので、CSP のプラント内にあるどちらの転炉にも使用できる。
スムーズな稼働開始のために、この新設備はヨーロッパで製造、事前組み立て、完全なテストを行った 後、ブラジルに輸送される。CSP の現地でさらにテストを行い、同社のスタッフのトレーニングを行う。
■生産能力の向上
この新しいソリューションでは、リライニング能力が約 30%向上し、シャットダウン時間は 20 時間短縮される見込み。リライニングプロセスを高速化する主な要因は、より速いペースでのレンガ搬送 によるサイクルタイムの短縮。従来のリライニングシステムでは、転炉へのレンガの積み下ろしの際に、炉体内の作業員は作業を中断し、壁際で待機する必要があった。さらに、転炉底のリライニ ングとそこでのスターリングプラグの設置の手順が最適化されたことも時間短縮に役立っている。
主要項目:CSP 向け新型リライニング設備
エレベーター最大積載量:4 トン以上
エレベーター昇降速:20 メートル/分
作業台最大積載量:11 トン
作業台昇降速度:最大 2 メートル/分 包括的安全コンセプト:過負荷防止、偏荷重防止、冗長性・安全性能のあるロープ使用
ニュースリリース
*リリース内容から「ですます調」で表記しています。