コマツの100%子会社であるコマツNTC (富山県南砺市)は6月7日、国内電池メーカーより、車載電池製造装置であるセル工程のタブ成型機複数台とモジュール製造工程複数ラインの大型案件を初めて受注したと発表した。CASE※に代表される顧客の変化に伴う新たな需要の取り込みを図るため、車載電池製造装置事業へ本格的に参入し、新事業の強化を図る。
今回の受注は、車載用電池製造工程における、セル製造およびモジュール製造の工程の核となる設備。設備納入は、2023年を予定している。
同設備におけるコマツNTCの強みは、従来実績のある高速・高精度な画像検査技術のほか、レーザー走査による独自の加工技術と工作機械で培った搬送技術を融合させたシステム。セル製造工程では、業界最高速度の120m/minで自由自在なタブを成形し形状検査を行う技術や、レーザー溶接でのヒューム発生を抑える自社開発のガス供給技術を有している。また、モジュール工程では、投入したセルのレーザー溶接と接着を自動で行い、モジュール化するシステムを提供し、特にセルの種別に応じてフレキシブルに対応できる生産体制が顧客に評価されている。
コマツNTCでは、得意分野である柔軟な設計・製造により顧客の多様な要望に対応し、技術開発を重ねて設備のライナップを増やすことで、工作機械、半導体、車載電池製造装置事業で3本のビジネスの柱とすることを目指す。また、当該事業については、2025年に売上高200億円規模を視野に入れている。
コマツは新中期経営計画「DANTOTSU Value – Together, to “The Next” for sustainable growth」 に掲げている、ダントツバリュー(収益向上とESG課題解決の好循環を生み出す顧客価値の創造)を通じて、未来の現場に向けた次のステージに踏み出し、サステナブルな未来を次の世代へつないでいくため、新たな価値創造を目指していく。
※Connected:自動車のIoT、Autonomous:自動運転、Shared & Services:所有から共有へ、Electric:電気自動車
画像:スリッタ付きタブ成型装置 IL221-7
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