・西アフリカで安定した給水に貢献
豊田通商は6月1日、仏・建設大手のEiffage Génie Civil(以下:エファージュ社)、印・水エンジニアリング大手のVA Tech Wabag(以下:ワバッグ社)とともに、セネガル国営水道公社より、海水淡水化プラント建設と同設備運営を受注したと発表した。同事業は、独立行政法人国際協力機構(JICA)の円借款「マメル海水淡水化事業」の一部として行われるもの。2025年の完成を予定しており、持続可能性の高い水源を確保することで、セネガルの人々に安全で安定した給水を行うことを目的としている。
セネガル・ダカール首都圏には、同国の人口の約2割(約370万人)、産業の約8割が集中しているが、人口増と都市の拡大により水の需要に十分対応できておらず、24時間の給水率は約7割にとどまっていた。また、国民の6割以上が恒常的な断水を経験するなど、安全で安定した水源の確保および給水は同国にとって喫緊の課題だった。セネガル政府は日本政府に支援を要請し、2016年のTICAD6(アフリカ開発会議)にて日本政府が支援を表明した。
豊田通商は、エファージュ社、ワバッグ社とコンソーシアムを組成し、JICAの円借款事業の一部として、日量5万トンの飲料水を製造する海水淡水化プラントを建設し、その後2年間の運営メンテナンスを行う。同プロジェクトの完成により、約70万人への給水を行うことが可能となる。
なお、豊田通商は、2021年10月に同円借款事業の一部である配水管監視システムも受注しており、上流から下流まで同プロジェクト全体に携わる。同事業は、5月31日にダカールで起工式が開催され、同プラントの着工が宣言された。セネガル初の海水淡水化プラントとして、セネガルの人々の生活の向上と経済の持続的な発展に、大いに寄与することが期待されている。
豊田通商は、グループ会社のCFAOを通じて、セネガルでこれまで自動車販売事業、医薬品卸事業、リテール事業などを展開してきたが、今回の海水淡水化プラント事業を皮切りに、同国におけるインフラ整備に本格的に取り組んでいく。アフリカの人々や社会と共に成長することを目指す「WITH AFRICA FOR AFRICA」という理念のもと、豊田通商グループは、今後もアフリカの社会課題解決に貢献しつつ、事業拡大に取り組んでいく。
<事業概要>
所在地:セネガル共和国ダカール州
契約先:セネガル国営水道公社
契約概要:海水淡水化プラント建設・同設備運営
完工予定:2025年
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