・暦年・年度とも油空圧合計で初の1兆円超え
日本フルードパワー工業会(JFPA)は5月19日、「2022年・年度油圧・空気圧機器需要見通し」を発表した。それによると、油圧機器は、暦年が前年比4.3%増の4,145億円、年度は前年度比4.2%増の4,179億円、空気圧機器は、暦年が前年比 7.2%増の5,936億円、年度は前年度比 6.6%増の6,160億円と予測された。これにより、2021年の9,510億円、2021年度の9,788億円から暦年・年度とも初の1兆円超えが現実味を帯びてきた。
以下、リリース前文。図表は、kikai-news.netが作成。
2022年・年度油圧・空気圧機器需要見通しについて
1.1 経済環境
2021 年は、2020 年の新型コロナの世界的蔓延による景気後退からの急回復が見られたが、グローバルな物流の停滞や半導体を筆頭に材料・部品の不足や価格高騰に悩まされた。2022 年2 月には、ロシアのウクライナ侵攻に対する制裁等からエネルギー価格が急騰し、更に、オミクロン株感染による中国上海市のロックダウンによる一層の物流混乱や生産縮少が懸念され、加えて、FRB が米国内経済の過熱を防ぐため利上げ政策を実施するなど、世界経済に悪影響を及ぼす不確定材料が増えてきている。一方、3 月の月例経済報告では、景気は持ち直しの動きが続いていると指摘しており、実際に半導体等部材の不足感は強く、そのための設備投資需要も依然として続くとみられる。
こうした経済環境の中で、4 月に当会の総需要委員会及び油圧分科会並びに空気圧分科会を開催し、今般「2022年・年度の需要見通し」を作成・公表するものであります。
1.2 油圧機器出荷額
市場の約4 割を占める土木建機部門は、2021 年・年度に前年比約25%増となったが、依然として米国市場は好調であり、対前年・年度とも若干の成長が見込まれると判断した。工作機械部門では、依然として電気自動車や半導体製造装置向けが好調で、工作機械工業会では2022 年の受注が対前年比6%増を見込んでおり、同程度の成長が見込まれると判断した。2021 年・年度に大きく成長したプラスチック加工機械は、コロナ関連需要が一巡したと見て、対前年・年度比マイナスと予測した。
これらを踏まえ、暦年は前年比4.3%増の4,145 億円、年度は前年度比4.2%増の4,179 億円と予測した。
暦年ベース出荷額
2021 年 出荷額(実績) 3,973 億円(対前年比17.9%増)
2022 年 出荷額(予測) 4,145 億円(対前年比4.3%増)
年度ベース出荷額
2021 年度 出荷額(見込み) 4,009 億円(対前年度比17.1%増)
2022 年度 出荷額(予測) 4,179 億円(対前年度比4.2%増)
1.3 空気圧機器出荷額
2021 年・年度は約35%と大きく成長したが、依然としてデータセンターや5G 関連、自動車向け半導体需要が旺盛な半導体製造装置や工作機械向けや工場自動化投資は、受注残高等も考慮すると、引き続き堅調に伸びると予測する。全体の約6 割を占める輸出に関しても同様と見込んでいるが、更に世界経済動向に敏感であるため、注意が必要である。
これらを踏まえ、暦年は前年比7.2%増の5,936億円、年度も同様の前年度比6.6%増の6,160億円と予測した。
暦年ベース出荷額
2021 年 出荷額(実績) 5,537 億円(対前年比34.4%増)
2022 年 出荷額(予測) 5,936 億円(対前年比7.2%増)
年度ベース出荷額
2021 年度 出荷額(見込み) 5,780 億円(対前年度比34.6%増)
2022 年度 出荷額(予測) 6,160 億円(対前年度比6.6%増)
注:グラフ内の需要分野は概ね大分類として表記しています。
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