CKD、21年度売上は33.2%増の1,421億円、22年度予想は2.7%増の1,460億円

 CKDが5月13日に発表した2022年3月期(2021年度)連結業績によると、売上高は142,199百万円 (前期比33.2%増) 、営業利益 17,879百万円 (同132.2%増) 、経常利益18,043百万円 (同130.6%増) 、親会社株主に帰属する当期純利益は12,567百万円 (同138.3%増) となった。

 なお、「収益認識会計基準」の適用により、売上高は315百万円減少、売上原価は7百万円減少、販売費及び一般管理費は190百万円減少、営業利益は116百万円減少、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ60百万円増加している。

 2021年度におけるわが国経済は、半導体をはじめとする部材や原材料の供給制約の影響はあったが、コロナ禍からの正常化が進み、製造業の生産活動は改善が続き、景気は緩やかに回復してきた。設備投資は、業種による強弱はあるものの、企業収益の持ち直しや環境などの成長分野への取組みにより回復が 進んだ。また、電子産業における5GやIoT向けなど情報通信技術の用途の拡がりを背景とした投資は継続して行われ、堅調に推移した。

 海外経済は、新型コロナウイルス感染再拡大など先行きに不透明感は残るが、米国ではワクチンの普及や労働力不足に対応する投資などを背景に景気は拡大基調となり、半導体や自動車市場などにおける需要が高水準に続いた。また、中国では5G関連や二次電池をはじめとする多くの市場で需要が好調に推移し、製造業全般で設備投資が積極的に行われた。東南アジアでは、活動制限の段階的な緩和により生産が回復し、輸出の増加とともに景気の下支えとなった。

 CKD2022年3月期データ

セグメント別の状況

<自動機械部門>

 産業機械では、三次元はんだ印刷検査機の売上高は増加したものの、リチウムイオン電池製造システムの売上高 が減少した。また、自動包装システムでは、薬品向けの売上高は増加したものの、食品向けの売上高が減少した。

 その結果、売上高は16,808百万円 (前期比18.7%増) 、セグメント利益は売上高増加により、2,413百万円(前期比45.4%増)となった。

 なお、収益認識会計基準の適用により、売上高は386百万円増加、セグメント利益は60百万円増加している。

<機器部門>

 国内市場では、5Gの普及などで堅調な半導体需要により、半導体製造装置向け売上高が増加した。また、自動車市場では環境対応車に関連した製造設備向け売上高、半導体や自動車用の設備で需要が旺盛な工作機械 向け売上高もそれぞれ増加した。

 海外市場では、製造業全般で設備投資が継続した中国、半導体設備投資が堅調な韓国や台湾などで売上高が増加した。また、経済活動の回復が続いている欧米、活動制限の緩和により東南アジアの売上高も増加した。

 その結果、売上高は125,390百万円 (前期比35.5%増) 、セグメント利益は売上高増加に生産性改善の効果も加 わり、19,443百万円(前期比93.0%増)となった。

 なお、収益認識会計基準の適用により、売上高は701百万円減少、販売費及び一般管理費は190百万円減少、セグ メント利益は177百万円減少している。

今後の見通し

 次期の世界経済は、新型コロナウイルス感染拡大の長期化やロシア・ウクライナ問題をはじめとする地政学リスクの高まりなど、依然として不確実性は高いものの、ワクチン普及の進展による社会生活の正常化や生産活動に対 する制約が徐々に収束に向かうことが見込まれ、引き続き堅調に推移していくと予想される。

 社会の価値観や市場そのものが大きく変化し、デジタル化が促進される中、CKDグループを取り巻く事業環境は、 製造業の自動化・省人化需要の高まり、半導体設備投資といった電子産業における投資拡大、自動車の電動化に向けた需要の増加等により、国内及び海外で高水準に推移することを見込んでいる。

 ただし、半導体を中心とする部品不足の長期化や原材料高騰などのサプライチェーンリスクに加え、米中間の貿易摩擦が及ぼす影響、地震や自然災害が及ぼす影響、さらに地政学的リスクや為替変動が及ぼす影響に注視していく必要がある。

 2023年3月期(2022年度)連結業績予想は、売上高1,460億円(前期比2.7%増)、営業利益185億円(同3.5%増)、経常利益185億円(同2.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益130億円(同3.4%増)。

 CKDの2022年3月期決算短信

 決算資料

 中期経営計画