アイダエンジニアリング、売上は7.5%増の624億円、22年度予想は15.3増の720億円

 アイダエンジニアリングが5月16日に発表した。2022年3月期(2021年度)連結業績によると、売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響縮小や電気自動車関連の需要増加により62,466百万円(同7.5%増)となた。利益面では、原材料費の高騰、物流混乱や部材不足による高付加価値案件の売上ズレ込み、研究開発費の増加等による粗利率低下により、営業利益は2,505百万円(同32.7%減)、経常利益は2,432百万円(同35.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は上記要因に加え中国拠点における減損処理等により896百万円(同31.9%減)となた。

 また受注高は、自動車業界等の製造業における設備投資回復や電気自動車関連の堅調な需要に支えられ78,357百万円(同48.7%増)となり、受注残高は55,144百万円(同40.5%増)となった。

 アイダエンジニアリング2022年3月期データ

経営成績の概況

 2021年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染拡大で大きく落ち込んだ前年度から経済正常化が進み回復局面にあるが、後半より物流の混乱、半導体・電子部品不足、エネルギー価格や部材費等の物価高騰、ロシア・ウクライナ問題等の影響で成長が鈍化しつつある。今後もこれらの問題の長期化により、下振れリスクが増大している状況。

 鍛圧機械製造業界においては、国内、海外ともに前年度の新型コロナウイルス影響による低迷から回復し、2021年度の受注は前期比60.8%増の143,274百万円(一般社団法人日本鍛圧機械工業会プレス系機械受注額)となった。

セグメント別経営成績

日本: 中・小型プレス機械の売上は堅調に推移したものの、大型プレス機械の売上が減少し、売上高は38,188百万円(前期比5.1%減)となり、セグメント利益は減収、原材料費増加等に伴う粗利率の低下、研究開発費の増加等により802百万円(同74.0%減)となた。

中国: 中・小型プレス機械とサービスの売上が増加し、売上高は8,851百万円(前期比19.2%増)となり、セグメント利益は増収や粗利率改善等により741百万円(前期は284百万円のセグメント損失)となた。

アジア: 日・米・中のグループ会社向けプレス機械とサービスの売上が増加したことにより、売上高は7,646百万円(前期比6.0%増)となり、セグメント利益は745百万円(同10.6%増)となた。

米州: プレス機械とサービスの売上はともに増加し、売上高は13,869百万円(前期比32.7%増)となったものの、セグメント利益は材料費や外注費の高騰、低粗利案件売上比率の一時的な増加等に伴う粗利率の低下や販管費の増加等により269百万円(同47.6%減)となた。

欧州: プレス機械の売上が増加したことにより、売上高は12,658百万円(前期比32.1%増)となり、セグメント利益は増収により110百万円(前期は121百万円のセグメント損失)となた。

今後の見通し

 2023年3月期(2022年度)の見通しについては、売上高は720億円(前期比15.3%増)、営業利益は55億円(同115.0%増)、経常利益は57億円(同134.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は40億円(同346.2%増)を予想している。

 アイダエンジニアリングの2022年3月期決算短信

 決算説明資料