ダイキン工業、イタリアの総合油圧機器メーカーであるデュプロマティックMS社を買収

・欧州で油圧機器事業の本格参入により産業機械分野の環境貢献につなげる

 ダイキン工業は4月28日、イタリアの油圧機器メーカー、デュプロマティックMS社(Duplomatic MS S.p.A 、以下デュプロマティック社)の株式譲渡契約を締結したと発表した。買収価格は220百万ユーロ(1ユーロ125円換算で275億円)。同社の出資者であるAlcedo社(アルセド社、イタリアのプライベートエクイティファンド)や経営陣から全株式を取得し、必要な手続きを経た上で2022年6月に買収を完了する予定。

 デュプロマティック社は、油圧バルブ・ポンプ・シリンダなどを扱う油圧機器メーカーであり、産業機械や建機車両などを対象に幅広い分野でビジネスを展開している。

 同社は、創業から70年以上の歴史があり、イタリアをはじめイギリス・ドイツ・米国などに生産拠点を保有している。豊富な品揃えとエンジニア力で、現地顧客からの様々なニーズに応じて最適な技術提案、ユニットシステムを提供しており、欧州において強い事業基盤を有している。

 ダイキン工業の油圧機器事業(以下、油機事業)は祖業の一つで、90年以上にわたり事業活動を展開している。2000年には空調事業で培ったモータ・インバータ技術を活かした高度な省エネ性能を持つ油圧ユニットを業界に先駆けて市場投入して以降、省エネ油圧機器のシリーズ展開拡大と用途開発に注力し、事業拡大を進めてきた。

 2025年度を目標年度とする戦略経営計画FUSION25において、油機事業はグローバル事業拡大を基本戦略として掲げている。世界的にカーボンニュートラルへの取り組みが進むなか、世界有数の産機油圧市場である欧州では生産設備の省エネ化の動きが進んでおり、ビジネス拡大の好機と捉えている。

 今回の買収により、デュプロマティック社の事業基盤と、ダイキンの強みである環境技術を活かした省エネ油圧機器の融合により、欧州において産業機械分野の省エネを実現し、環境負荷低減によるサステナブル社会への貢献に取り組んでいく。

<デュプロマティック社の概要>
会社名:デュプロマティックMS社(Duplomatic MS S.p.A)
本社所在地:イタリア パラビアーゴ(ミラノ近郊)
代表者:ロベルト・マダロンCEO
資本金:48百万ユーロ
設立:1952年
事業内容:油圧機器の設計・製造・販売
売上高:(2021年度) 147百万ユーロ(1ユーロ125円換算で184億円)
従業員: (2021年度) 655名

<ダイキン工業・油機事業の概要>
事業概要:産業機械向け油圧機器・ユニット、冷熱機器、建設機械向けトランスミッション、集中潤滑機器・装置の開発、製造、販売
売上規模:(2021年度)約400億円
生産拠点:淀川製作所(大阪府摂津市)、ダイキン・ザウアーダンフォス・アメリカ社(米国アイオワ州)、オールワールドマシナリー社(米国イリノイ州)、大金機電設備蘇州有限公司(中国江蘇省)

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