コベルコ建機、約34億円投じて大垣事業所の生産能力を増強、年間3,000台の油圧ショベル組立ライン新設

・グローバル戦略の強化に向けた取り組み

 コベルコ建機(東京都品川区)は4月28日、取り巻く事業環境の変化に迅速かつ柔軟に対応するため、ミニショベルの生産拠点である大垣事業所(岐阜県大垣市)の生産能力を増強することを決定したと発表した。

足もとの事業環境

 世界の油圧ショベル需要は、新型コロナウイルスの感染拡大による落ち込みはあったものの、先進国では概ね安定的に推移しており、中国を除く新興国需要はエリアによる濃淡はあるものの、引き続き安定成 長が期待できるものと見込んでいる。コベルコ建機においてもエリア毎の販売網強化や市場ニーズに合わせた 機種・仕様の拡充などを進めることで、今後も安定的に油圧ショベルの販売台数を伸ばしていく計画。

生産能力増強の経緯 

 このような状況の中、コベルコ建機は2022年 2 月に、米国子会社である KOBELCO CONSTRUCTION MACHINERY U.S.A. INC.の北米工場を㈱竹内製作所に約 39.5 億円で譲渡することを決定し、北米工場で生産していた油圧ショベルは五日市工場での生産に全数移管し、競争力を高めていくことにした。これにより、五日市工場の生産負荷(生産能力 10,500 台/年)が高まることから、五日市工場との相互補完体制を構築するかたちで大垣工場の生産能力を増強し、柔軟かつ環境変化に強い製品供給体制を目指す。

生産能力増強の概要

 大垣事業所内に、3,000 台/年の能力の油圧ショベル組立ラインを新設する。これに合わせ、同事業所内の製缶能力増強も実施し、大垣事業所における生産能力を現状の 8,500 台/年から 11,500 台/年まで高める。新設する組立ラインは、広島事業所五日市工場の生産メニューである 7t クラスと大垣事業所の既存ラインで生産している 5t クラスの 2 クラスの組立ラインとすることで、五日市工場との補完体制を構築し、台数変動に応じた柔軟な生産を可能にする。

今後のグローバル戦略の強化取り組みについて

 コベルコ建機では、2021年発表した KOBELCO グループ中期経営計画(2021~2023 年度)において、安定収益基盤の確保に向けた施策のひとつとして「中国市場依存からの脱却」を掲げており、今回の案件はそのための取り組みのひとつとなる。今後も継続的に製販両面でグローバル戦略の強化を目指して検討を進めており、都度発表していく。

 コベルコ建機はこれからも『ユーザー現場主義』に基づき、更なる技術の発展に努め、さらなる商品価値の提供を目指すことはもちろんのこと、その礎となる製販が連動した高度かつ安定した事業運営の向上を目指す。

<大垣事業所の概要/設備投資額とスケジュールなど>

所在地:岐阜県大垣市本今町 1682 番地 7

生産機種:1~5 トンクラスのミニショベル(増強後は、加えて 7 トンクラス油圧ショベル)

主な出荷先:全世界

生産能力:ミニショベル:8,500 台/年(現在)

 ⇒増強後 11,500 台/年(既存 8,500 台/年 + 5t・7t 専用ライン:3,000 台/年)

投資額 :約 34 億円

スケジュー:2023 年夏頃完了予定

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