竹中工務店など5社、愛媛県内子町において地域連携型の「内子龍王バイオマス発電所」の建設に着手

・地元産材を活用した木造発電所から生み出される熱を地域の交流施設で有効活用(熱電併給)

内藤鋼業、サイプレス・スナダヤ、竹中工務店、三洋貿易、大日本コンサルタントの5社は4月26日、愛媛県内子町での木質バイオマス発電の事業化に向け、「内子龍王バイオマス発電所」の建設に5月より着手すると発表した。

 発電所は、内子町森林組合に出材された原木約3,600t/年の間伐未利用材により製造されたペレットを燃料に用いて発電する。発電した電力は固定価格買取制度(FIT制度)を利用して四国電力送配電へ全量売電するとともに、発電の際に発生する熱は隣接する内子町龍王公園内の「オーベルジュ内子」と「フィットネスRyuow」の2施設へ供給する計画。これによりエネルギー効率を発電のみの30%から75%に高める。

 発電システムは、ブルクハルト社(独)製の小型高効率木質バイオマス熱電併給装置を採用する。木質ペレットについては内藤鋼業小田ペレット工場より調達する計画で、その稼働実績を活かした安定的かつ確実な施設運営を目指している。

 発電所建屋は、町産材による木造建築とし、内子町景観まちづくり条例に配慮したデザインとさる。その部材には、サイプレス・スナダヤ(西条市)で製作されたCLT(※)を積極的に活用し「観光資源として見せる発電所」となるよう計画した。

 内子町では、2007年に掲げたバイオマスタウン構想に則り、町内各所でバイオマス利活用が進んでいる。同発電所においては、2021年9月に5社の共同出資で設立した「株式会社内子龍王バイオマスエネルギー」を事業主体とし、「内子町龍王地区の木質バイオマス熱電併給に関する基本協定書」を締結した同町からの各種支援に加え、地元企業20社からの優先出資など地域が一体となって事業実現に関与する仕組みを導入することで、地域内に新たなエネルギーと経済の循環を構築する。

 今後、同事業を通じ、地域の脱炭素化や防災力強化に寄与する木質バイオマス発電事業として、地方自治体や地元企業と連携した「木質バイオマスによる持続可能なまちづくり」の先導モデルとなるよう取り組んでいく。

※ CLT:直交集成板(Cross Laminated Timber)

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