山形航空電子 第2工場新棟を建設

 日本航空電子工業は4月21日、コネクタ事業の生産拠点である山形航空電子(山形県新庄市)第2工場に新棟を建設することを決定し、同日起工式を執り行ったと発表した。航空電子グループの中期的成長戦略の一環として、自動車、産機市場向けコネクタの生産体制増強を進めるとともに、グローバルサプライチェーンの強化を図る。

 山形航空電子は操業開始以来、航空電子グループにおけるプレス中核拠点の役割を担うとともに、成形、コネクタ組立に業務を拡大し、携帯機器、自動車向けコネクタを中心とした生産拠点として発展してきた。この間、2006年には第2工場、2013年には第1工場D棟を建設するなど、弘前航空電子(青森県弘前市)と並ぶコネクタ事業の主力工場として生産体制を増強してきた。

 今回、航空電子グループの中期的事業拡大に向けた成長投資の一環として生産能力を拡大し、EV(電気自動車)用コネクタなどの新たな需要の増加に対応するとともに、国内生産強化によってサプライチェーン強靭化を図るために、新棟建設を決定したもの。

新棟建設の背景と狙いは以下の通り。

■航空電子グループの中期的成長に向けた生産インフラの増強

 2021年4月に発表した航空電子グループ中期経営計画では、2025年度に売上高3,000億円(2020年度比1.4倍)の目標を掲げており、その達成のために5年間で1,000億円超の設備投資、生産インフラ投資を行い、生産能力を増強する計画。
 この計画に基づき、今回の新棟建設によって、特に成長を牽引するEV向けや産機市場向けの生産能力を増強するとともに、今後も昭島事業所、弘前航空電子と山形航空電子の国内3拠点をグループの中核拠点として生産体制の強化を進める。

■EV(電気自動車)向けコネクタの生産技術確立・生産能力拡大

 今後拡大するEV向けで必要となる大電流・高電圧コネクタの生産拡大に向けて、同社グループとしては最大クラスのプレス機、成型機を導入する。量産を通じて技術を蓄積し、山形航空電子を大電流・高電圧コネクタの生産技術においてグループを主導する拠点としていく。

■グローバルサプライチェーンの強靭化

 新型コロナウイルス感染症の影響や地政学的情勢の変化によって世界的にサプライチェーンのリスクが懸念される中、国内生産能力の増強を通じて、海外・国内の2拠点生産への対応や、自動車、産機等の国内生産拡大を図り、サプライチェーンの強靭化を進める。

 上記の方針にそって、これまで山形県、新庄市の協力のもと用地取得などの準備を進め、着工に至ったもの。

 今回着工する第2工場B棟は延床面積約1万6千㎡であり、第1工場を含めた山形航空電子全体の総床面積は、現状の約3万3千㎡から約1.5倍の4万9千㎡に拡張される。また、省エネ設備の導入や電力の見える化などの取組みを進め、「環境にやさしい工場」を目指す。

 なお、第2工場B棟は2023年春の竣工を予定している。

<山形航空電子第2工場B棟 概要>
構造:鉄骨造二階建て
延床面積:16,100㎡
竣工予定 2023年春

<山形航空電子株式会社 概要>
代表者:社長 長沼 俊一
所在地:山形県新庄市大字泉田字高台新田4102-6
設立:1957年4月(前身の(株)富士工業)
(社名変更:1988年6月)
従業員数:421名(2022年4月現在)
事業内容:電子部品(コネクタ)の製造・販売

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