アスラテック、ロボットにかかる力をユーザーが体感できるロボット操作システム「V-Sido Bilateral」を発表

・アクチュエーターを問わずバイラテラルの力覚フィードバックを実現

 アスラテック(東京都港区)は4月20日、マニピュレーターなどのロボットにかかる力を操作者に伝えることができるロボット操作システム「V-Sido Bilateral(ブシドー・バイラテラル)」を発表した。

 「V-Sido Bilateral」は、マニュピュレーター1台と同一形状のコントローラー1台の2台で構成されるロボットシステム。コントローラーの動きをマニュピュレーター(ロボット)に同期させる、いわゆるマスタースレーブ※をベースにしつつ、コントローラーに力覚をフィードバックすることで双方向の姿勢同期を行う。操縦者はロボットにかかる外からの衝撃や物体を把持することで、より直感的にロボットを動かすことができるほか、自然にロボットへかかる負担が小さくなる動作を作ることができる。

 また、ロボットおよびコントローラーへの力覚フィードバック設定を調整することで、作業内容や用途に応じたロボット操作を実現できる。たとえば破損の可能性がある対象物を把持する際、ロボット側にトルクリミットをかけ破損を防ぎながら、コントローラーへの力覚をフィードバックさせることで、対象物への繊細なアプローチが可能になる。

 「V-Sido Bilateral」は、アスラテック独自のロボット制御システム「V-Sido(ブシドー)」をベースに、バイラテラルの機能に特化したソフトウエアとして開発された。そのため「V-Sido」と同様、幅広いアクチュエーターに対応しており、ロボットの形状や大きさ、用途を問わず、さまざまなロボットに適用することが可能。また、アクチュエーターを変更した場合でも、同じソフトウエアを利用可能なため、効率的にロボットを開発できる。

 「V-Sido Bilateral」は、2022年4月20日時点で、VTuber「斗和キセキ」が動画を公開しているロボット「ロボ斗和キセキ」の制御や、VTuber「シマハイイロギツネ」のリアルごあいさつ会で使われたロボットの制御(詳細は、 https://www.asratec.co.jp/2022/03/07/30537/ を参照)で採用されている。またアスラテックは、㈱オリィ研究所が開発中の新型分身ロボットにも「V-Sido Bilateral」で協力をしている。

 市販製品では現在、「V-Sido Bilateral」は株式会社ロボティズ日本支店(以下「ROBOTIS」)のマニピュレーター「OpenMANIPULATOR-X」に対応している。なお、ROBOTISから「V-Sido Bilateralスターターキット」が発売される予定(発売時期は2022年夏前、価格は未定)。このキットは、「OpenMANIPULATOR-X」、「小型コントローラーRakuda-mini」、「V-Sido Bilateral制御ボックス」の3点で構成されており、「V-Sido Bilateral」のロボット制御をすぐに利用できるようにした製品。また、その他のROBOTISロボットにも、「V-Sido Bilateral」の対応を検討していく。

 今後アスラテックは、分野を問わずさまざまなロボットメーカーに「V-Sido Bilateral」を提供していく。

※ マスタースレーブ……ロボットの遠隔操作手法のひとつで、ユーザーが手元にあるマスターロボットを操作して、その動きと同期して遠隔にあるスレーブロボットが動作する仕組みのこと。近年はリーダフォロワなどの用語が推奨されている。

 詳細は、ニュースリリース