3Dプリンター出力事業、鋳造事業、CT事業を展開する㈱JMC(横浜市 港北区)は4月14日、長野県飯田市のコンセプトセンター(鋳造工場)において、鋳造工程の増強を目的に新工場棟を建設すると発表した。
■新工場棟建設および設備増設の目的
JMCの主力事業である鋳造事業は、試作品において顧客からの短納期や品質向上の要求に応えるため、完全素加一貫(鋳造品の作製から後加工まで一貫するという意味で、型作製から検査まですべて自社内で完結させること)の生産体制を構築している。
今回、FA(ファクトリーオートメーション)分野で量産用鋳造部品需要の増加が見込まれることから、一層の受注確保と安定的な供給を実現するため、新工場棟「第8期棟」の建設および既存工場棟において熱処理設備、加工機(マシニングセンタ)を増設する。
「第8期棟」は、従来の試作品中心の生産体制とは異なり、TPS(トヨタ生産方式)の思想を取り入れ、JMCの砂型鋳造品の生産特性に対する最適化を図り、量産用鋳造部品を効率よく生産し続ける「量産」に対応可能なライン構成とし、マグネシウムを中心とした非鉄素材の鋳造品の生産における生産可能な製品サイズや生産量において、国内有数の規模を実現する設備の導入を予定している。
輸送用機器分野を中心とする試作・少量量産に加え、量産用鋳造部品においても素加一貫体制の確立を推進することで、事業ポートフォリオの拡張を進め、安定的な収益体質の確立を図る。
<新工場棟の概要>
名称:コンセプトセンター 第8期棟(鋳造工程、仕上工程)
所在地:長野県飯田市伊豆木(2019年に取得を完了済の伊豆木産業用地内)
延べ床面積:2,287平方メートル
投資予定額:8.5億円(建物、設備および機械等の取得、機械取得の一部はリース予定)
着工予定:2022年4月
稼働予定:2023年1月
<熱処理設備増設の概要>
導入設備:熱処理炉
導入場所:コンセプトセンター 第7期棟
投資予定額:0.7億円
稼働予定:2022年12月
<加工機増設の概要>
導入設備:立形マシニングセンタ CMX-1100V(DMG森精機) 3台
導入場所:コンセプトセンター 第4期棟
投資予定額:0.6億円
稼働予定:2022年7月以降
<JMC概要>
1999年、 光造形方式の3Dプリンターを導入して製造業に参入。 3Dプリンター出力による部品製造の事業規模が拡大する中、 2006年に有限会社エス・ケー・イーを吸収合併し、 砂型鋳造法による鋳造事業をスタート。 3Dプリンターで培ったデジタル技術を背景に、 職人の肌感で語られることが多かった鋳造を定量化することで、 経験年数に依存せずに質の高い鋳造ができることを証明。 業界に新たな進化を起こした。 2015年には産業用CTによる非破壊検査・測定を目的としたCT事業を開始。 さらに、 心臓カテーテルシミュレーター『HEARTROID』の販売でメディカル分野にも領域を拡げた。 2016年東京証券取引所マザーズに上場(2022年の東京証券取引所の市場区分見直しに際して「グロース市場」へ移行)。2021年からは、保有する技術力を生かして旧車のレストアパーツ製造・販売を開始した。
所在地:神奈川県横浜市港北区新横浜2-5-5住友不動産新横浜ビル1F
代表者:代表取締役社長兼CEO 渡邊大知
設立:1992年12月18日
資本金:782,671千円
売上高:2,416百万円(2021年12月期)
従業員数:151名(臨時雇用者数を含む 2021年12月末)
事業内容:3Dプリンターおよび砂型鋳造による試作品、 各種部品・商品の製造、 販売
産業用CTの販売および検査・測定サービス
医療機器等の製造・製造販売
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