三菱重工、全自動無人運転車両システム(AGT)採用のマカオLRT延伸プロジェクトを受注

・三菱重工グループの豊富な知見を生かし、地域経済発展と渋滞緩和に貢献
・運行中のタイパ線に次ぎ、Barra延伸線(3.4km)、石排湾延伸線(1.3km)、横琴延伸線(2.2km)を新設
・ プロジェクトで駅舎建設や土木工事、車両を除くシステム一式を担当

 三菱重工業は4月14日、中国マカオ特別行政区(Macau Special Administrative Region)政府・建設発展弁公室(GDI)より、全自動無人運転車両システム(AGT:Automated Guideway Transit (注1))を採用するマカオLRT(Light Rapid Transit (注2))の延伸プロジェクトを受注したと発表した。今回の延伸プロジェクト受注は、2019年12月に開業したマカオLRTタイパ線に続くもので、三菱重工グループの豊富な知見を生かし、マカオ都市部の安全・円滑な輸送体制強化に力を注いでいく。

 このプロジェクトでは、新興リゾートホテルが立ち並ぶタイパ島内で運行するタイパ線(11駅、9.3km)を軸に、対岸のマカオ半島へ接続する「Barra延伸線(1駅追設、3.4km)」、人口の増加が見込まれ大型病院の建設も予定されている石排湾地区へつながる「石排湾延伸線(2駅+乗換駅追設、1.3km)」、中国大陸の横琴島へ伸びる「横琴延伸線(2駅追設、2.2km)」の計3線を新設する計画。このうち石排湾延伸線および横琴延伸線については、地元ゼネコンである「Top Builders Macau Co. Ltd.」と「Hou Chun Construction and Engineering Company Limited.」との間で3社コンソーシアムを組んで協働し、同プロジェクトを通じて地域経済のさらなる発展と人材育成に寄与する。

 今回、三菱重工業は信号、通信システム、給電設備、軌道工事、ホームドアおよび料金機械といったシステム一式(駅舎の建設や土木工事、車両を除く)を担当する。各路線で使用する車両は、三菱重工業がタイパ線向けにすでに納入済みのAGT車両を活用する予定。三菱重工グループはタイパ線のプロジェクトにおいても、AGT車両110両、信号・列車制御設備、給電設備、通信システム、軌道、メンテナンス設備、ホームドアおよび料金機械の納入実績がある。また、開業後5年超にわたる車両のオーバーホールメンテナンス契約も受注しており、マカオLRTの安定運行をサポートしている。

 三菱重工業は、国内やシンガポール、韓国、ドバイなど世界各地での豊富なAGTの納入実績と質の高いO&M(運用・保守)サービスが強みで、国内外の新交通システム市場でトップを争う地位にある。これまでの豊富な実績と知見を生かし、マカオ都市部をはじめとした世界各地の経済発展、交通利便性向上といった地域課題への対応と解決策の提供を目指す。また、CO2を排出しないクリーンな輸送手段として注目されているAGTの納入を通じてカーボンニュートラル社会の実現にも貢献していく。

1 電力駆動により完全自動走行する新交通システムで、ターミナル間および空港周辺施設への移動用として世界各地で利用されている。ゴムタイヤ方式を採用しているため、走行が滑らか、かつ低騒音であるのが特長。
2 LRTは、元来「Light Rail Transit(次世代型路面電車)」の略称として広く使われているが、マカオLRTは、その高速性能にちなんでLight Rapid Transitを略称としている。

■対象路線について
路線名:タイパ線(既設) Barra延伸線:石排湾延伸線 横琴延伸線
路線概要:11駅、9.3km 1駅追設、3.4km 2駅+乗換駅追設、1.3km 2駅追設、2.2km

■三菱重工グループについて
 三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
 長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 モビリティの電化・知能化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

 ニュースリリース
*リリース内容から一部「ですます調」で表記しています。