AGCは4月6日、合成医薬品1CDMO2事業子会社であるAGC Pharma Chemicals Europe S.L.U. (以下APCE社、本社:スペイン)の設備増強を決定したと発表した。同社敷地内に延床面積7,500㎡の建屋を新設し、現在の生産能力を30%増強する。稼働開始は2024年上期を予定しており、投資総額の見込みは約120億円となる。
APCE社は自社の長い歴史と豊富な実績をベースに、AGCが長年培ってきた化学合成技術やフッ素を取り扱う知見なども取り入れ、年率7%以上の成長を続ける合成医薬品CDMO市場の成長を上回る勢いで受託件数を伸ばしている。この旺盛な需要に対応するため、2020年4月発表の30%設備増強に加え、更なる増強を決定した。今回の増強では、近年需要が高まっている抗がん剤などに代表される高薬理活性原薬(HPAPI)*3に対応した設備も導入する。また、新設する建屋は増強後の生産能力をさらに拡張する余地があり、今後、追加の増強を検討していく。
AGCグループは、中期経営計画 AGC plus-2023 のもと、合成医農薬・バイオ医薬品CDMOを含むライフサイエンス事業を戦略事業のひとつと位置付け、2018年の売上高449億円を、2022年には1,350億円、2025年には2,000億円以上へ拡大を目指している。合成医農薬CDMO事業において、今回の設備増強は2021年11月のAGC若狭化学の設備増強に続く投資であり、バイオ医薬品CDMO事業と合わせ、今後も積極的な買収・設備投資を行っていく。引き続き、各地域の顧客にグローバルで統一された高水準の品質・サービスを提供できるよう各拠点のシナジーを最大限に発揮させ、製薬会社、患者様、そして社会に貢献していく。
<注釈>
*1 合成医薬品::化学合成により製造された医薬品。低分子医薬品。
*2 CDMO:製造受託に加え、製造方法の開発を受託・代行する会社 (Contract Development & Manufacturing Organization)
*3 OEB4(1~10μg/m3)までの取り扱いが可能
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