㈱格付投資情報センター(R & I)は3月30日、㈱タダノ発行社債に関して 「【格付維持】発行体格付:A- 格付の方向性:安定的」と発表した。以下、コメント前文。
・発行体格付:A- [格付の方向性:安定的]
【格付理由】 2022年03月30日
【格付維持】 タダノ
建設用クレーンの世界大手メーカー。ラフテレーンクレーン(RT)、オールテレーンクレーン、ト ラッククレーン、クローラクレーン(ラチスブーム式及び伸縮ブーム式)などの主要機種を幅広く揃え る。優れた技術と品質を支えに、中国・ロシア市場を除く世界シェアは3割弱を握る。RTに限れば5割弱 だ。車両搭載型クレーンと高所作業車の国内地位も高い。
建設用クレーンは一般建機に比べて経済的耐用年数が長い分、需要の変動幅が大きく、コロナ影響を より強く受けてきた。もっとも、主力の日本国内や北米を中心にタダノの市場地位や競争力は揺らいで いない。全体の受注状況は持ち直してきた。課題である欧州事業は現地倒産法の事業再生スキームを活用して再建を進めている。
部材調達の遅滞が生産や出荷に響いており、コロナ影響や地政学リスクなど 事業環境の先行きに注意を要するが、中期的には回復する需要を捉えて収益力をある程度改善していけ るだろう。 Demag事業買収などに伴い低下したものの自己資本比率はなお高い。
債務償還年数や資本負債構成は格 付対比で良好な水準にある。再建途上にあるドイツ子会社の損益改善ペースを慎重に見ていく必要はあるが、当面は大きな投資予定もなく、全体の財務基盤が崩れる懸念は小さい。
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