IHI、オーストラリアで「コーガン水素実証プロジェクト」のデモプラント建設工事を受注

 IHIは3月29日、豪州法人IHI Engineering Australia Pty Ltdを通じて、オーストラリアのクイーンズランド州営電力会社であるCS Energyから、同社が所有するコーガンクリーク発電所隣接地に設置する太陽光発電から水素を製造・販売する「コーガン水素実証プロジェクト」におけるデモプラントの設計・調達・建設業務を受注したと発表した。

 コーガン水素実証プロジェクトは、太陽光発電・蓄電池・水電解装置・燃料電池を有する実証プラントによって、太陽光の再エネ電力からカーボンフリー水素を製造し販売するとともに、余剰の再エネを電力市場に販売することを目指すもの。2020年12月から事業化に向けた検討を開始し、再生可能エネルギーを活用した水素製造プロセスや水素市場の検証などを行うことでプロジェクトの事業性を評価し、デモプラント建設の運びとなった。

 CS Energyは、オーストラリアで3,500MWもの電力を供給する,クイーンズランド州政府所有の電力会社。IHIはこれまで同社へカライドC石炭火力発電所(420MW×2基、2001年運転開始)を建設・納入しており、また同社カライドA石炭火力発電所での酸素燃焼の実証プロジェクトOxyfuel Project(2004年~2018年)にプロジェクトパートナーとして参加している。オーストラリア北東部に位置するクイーンズランド州は、アジアに近接していることに加え、豊富な日照量によるグリーン水素製造の優位性を有しており、水素産業の発展が期待されている。

 IHIは,2018年に開設した「そうまIHIグリーンエネルギーセンター」における開発・運用で培った知見を活かし、本デモプラントの建設を通じてCS Energyとともに豪州における脱炭素化をリードする考え。

 IHIグループは脱CO₂・循環型社会と快適で安心な自律分散コミュニティの実現に向け、水素・アンモニアのエネルギー利用技術の開発およびカーボンフリーバリューチェーン構築を推進していく。

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