三菱重工グループの MHIET、発電装置の新シリーズ「MGS-R」を発売

・信頼性の高い電力をデータセンターなどへ供給し、デジタル社会に貢献
・主にアジア・中東地域へ向け、2022年末までに計21機種を順次市場投入
・データセンター事業者などから求められる品質基準を満たすISO規格などに準拠

 三菱重工グループの三菱重工エンジン&ターボチャージャ(MHIET、相模原市中央区)は3月24日、商業施設やオフィスビルといった事業所向けディーゼル発電装置の新シリーズ「MGS-R」を発売したと発表した。主にアジア・中東地域へ向け、2022年末までに計21機種を順次市場投入する。特にIT機器が集約設置されているデータセンターなど、高い信頼性が要求される市場に電力供給することでデジタル社会に貢献する。

 MGS-Rは、2000年から販売する現行「MGS-B」のラインアップを21年ぶりに刷新したもので、各種レーティングに対応しており、スタンバイレーティング時において、50Hzで500~2,750kVA、60Hzで460~2,000kWの出力レンジをカバーできる。同シリーズは、新たにターボチャージャの仕様変更や燃料系統、排気系統の改善により、全機種にわたって10秒での高速始動を実現。また、50Hzのスタンバイレーティング1,500 kVAの出力帯に対し、小型かつ高出力のMHIET製12気筒エンジンを新たに適用したことにより出力を向上するとともに、設置面積を同出力帯の最小クラスにまで抑えた。さらに現行機種の運用状況に基づいた条件の見直しを実施したことにより、オーバーホール間隔は従来機の2倍以上となっている。

 これらの改良により、発電装置に対するISO規格の業界最高水準に当たるClass G3と、全米防火協会(NFPA:National Fire Protection Association)が定める発電装置の始動性能に関する基準の両規格に全機種で準拠する。

 また、設計や設備構成からデータセンターの安全性や信頼性を格付けする民間機関であるUptime InstituteのTier3および4に準拠可能。データセンターのシステムにおいてディーゼルエンジンの始動性は非常に重要であることから、各規格に準拠する品質基準を求める声がデータセンター事業者をはじめとする顧客から上がっている。

 MGSシリーズは、アジア地域においてエンジン・発電設備の組み立て・営業を行うMHIET100%出資のMitsubishi Heavy Industries Engine System Asia Pte. Ltd.(MHIES-A)が生産する発電装置。他社製のディーゼルエンジンを導入して装置を組み上げるメーカーが多い中、エンジンメーカーであるMHIETが発電装置をデサインすることで高い信頼性を有しているのが特長。全世界で累計1万2,000台以上の販売実績を誇っている。

 MHIETは、商業施設やオフィスビルに加え、昨今建設が急増しているデータセンターの需要に対応するべくMGSシリーズの拡販に引き続き取り組んでいく。今後も、ガスエンジン発電装置「MGS-G」も含めて、市場ニーズを捉えた高品質な製品開発ならびにソリューション提案を通じて社会課題の解決に貢献していく。

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