アルバック、鹿児島事業所に新棟建設、霧島市と立地協定を締結

 真空機器および真空応用事業の㈱アルバック(神奈川県茅ヶ崎市)は、鹿児島事業所に新棟を建設する。鹿児島県は3月15日、3月1日に同県霧島市と立地協定を締結したと発表した。今回の増設は、半導体市場の今後の継続した成長を見込み、同製品の需要に的確に応えるため、鹿児島事業所の強みである粉末冶金の技術・ノウハウを活かした増産体制の構築を図る目的で決定した。これにより、地域における産業振興はもとより、地域経済の浮揚発展に大きく寄与するものと期待される。

 ㈱アルバックは、1952年8月、「真空技術で産業と科学の発展に貢献」を目的に技術者6名で創業。現在では、真空装置や真空ポンプ、材料、分析機器など、多様な真空技術を幅広い業界向けに提供している。

 このうち、材料事業(マテリアル事業)に関しては、九州内での半導体市場への拡販を図るべく、1982年2月、鹿児島県横川町(現在の霧島市横川町)に、九州真空冶金株式会社を設立した。その後、いくつかの吸収合併を経て、現在、生産技術を担う㈱アルバックのマテリアル事業部と製造を担うアルバック九州(子会社)のマテリアル生産本部において、スパッタリングターゲット※をはじめとする材料の製造を手掛けている。

 さらに、同社は、参入障壁の高い最先端300mm半導体市場への参入を成長戦略として、タングステン及びタングステン合金のスパッタリングターゲットの拡販を進めており、取引先等から高い評価を得ている同製品の順調な受注増加により、好調な業績を支えている。

スパッタリングターゲット:フラットパネルディスプレイ及び半導体の製造装置などに使用する成膜形成材料で、半導体の基になる配線材料や絶縁材料として用いられる消耗品。

<工場増設の概要>

工場名:株式会社アルバック 鹿児島事業所2期 ホットプレス棟

所在地:鹿児島県霧島市横川町上ノ3313-1(既存敷地内)

建物概要:425.63㎡

着工予定:2022年3月

操業予定:2023年4月

投資予定額:6億2,400万円

事業内容:タングステン・タングステンシリコンターゲットの製造

生産計画:約6億900万円(初年度)

<株式会社アルバック鹿児島事業所の概要>

所在地:鹿児島県霧島市横川町上ノ3313-1

用地面積:141,949㎡(アルバック九州株式会社と同一敷地)

建物面積:64,728㎡

従業員数:79名(2022年1月1日時点)

事業内容:真空装置や周辺機器等の製造、真空技術全般に関する研究指導・技術顧問等

<株式会社アルバック(本社)の概要>

所在地:神奈川県茅ヶ崎市萩園2500

設立:1952年8月

代表者:代表取締役社長岩下節生

資本金:208億7,300万円

年商:1,830億1,100万円(令和3年6月期実績:連結)

従業員数:1,294名(令和3年6月30日時点)

業種:真空機器事業、真空応用事業

 ニュースリリース(鹿児島県)