・需要急拡大を受け、電子部品製造用の 関連テープ生産設備を大幅増強
リンテック(東京都板橋区)は3月18日、昨今の積層セラミックコンデンサ需要の急拡大や電子部品メーカー各社の積極的な増産投資計画を受けて、現在推進中の3か年の中期経営計画期間(2024年3月期まで)を含む2025年3月までの4年間で、土居加工工場(愛媛県)および熊谷工場(埼玉県)において総額で約190億円を投じ、積層セラミックコンデンサの製造工程に欠かせないプロセス関連テープの生産設備を段階的に大幅に増強すると発表した。
■スマホ向けなどのハイエンドタイプから汎用タイプまで幅広く対応
昨今、テレワークの普及や電気自動車(EV)・高速通信規格「5G」向け需要などを受けて半導体や電子部品の需要が急拡大しており、メーカー各社では積極的な増産投資を行っている。
リンテックは高性能な極小電子部品である積層セラミックコンデンサの製造工程に欠かせない関連テープ(剥離フィルム)をメーカー各社に提供している。独自のナノレベル厚の剥離剤塗工技術で実現できる高密度・超小型のコンデンサから、多用途で使用できる汎用タイプのコンデンサ向けまで幅広くカバーするために生産能力を増強することにした。
■4年間で約190億円を投じて国内2工場に最新鋭の生産ラインを導入
土居加工工場においては、2022年12月から2025年3月に掛けて順次完工・稼働開始をめどに約90億円を投じ、延床面積約10,000m2の新工棟を増設するとともにクリーン塗工設備2台、裁断設備3台などを導入する計画。また熊谷工場においても、2023年6月から同年12月に掛けて順次完工・稼働開始をめどに約100億円を投じ、延床面積約10,000m2の新規工棟を建設するとともにクリーン塗工設備2台、裁断設備3台などを導入する計画。両工場共に自動化・省人化、省エネルギー、CO2排出量の抑制などに配慮した生産システムを構築する。
リンテックでは今後、半導体メーカーの増産への対応を含め、エレクトロニクス関連市場に向けた部材の安定供給を継続すべく、積極的に生産体制の強化を図っていく考え。
画像:積層セラミックコンデンサ関連テープの既存生産工棟(埼玉・熊谷工場)
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