JX金属、茨城県ひたちなか市に新工場用地取得、総投資額は2,000億円規模

・先端素材分野を中心とした新たな主要拠点へ

 JX金属は3月16日、茨城県ひたちなか市に、新工場の建設に向けて新たに大規模な用地を取得したと発表した。設備投資の詳細は今後決定していくが、JX金属先端素材分野における過去最大規模の投資となる。半導体用スパッタリングターゲットや圧延銅箔・高機能銅合金条といった既存成長分野に加え、結晶材料など先端素材関連の新規事業を担うJX金属グループの新たな中核拠点としていく予定。

 JX金属は、1905年の茨城県日立市における日立鉱山の操業開始をルーツとしている。現在でも同県内には日立事業所や磯原工場などの主要事業所を含め複数の生産拠点を有しており、JX金属にとって同県はとりわけ縁が深く、事業上も非常に重要な地域。今回取得した用地は、同県の中央部、ひたちなか市に位置しており、敷地面積は約24万m2となる。

 同地は日立事業所や磯原工場から距離が近く、本社へのアクセスも良好であるため、これら拠点との一体運営が可能になる。今後、これらの拠点間連携をさらに強化するとともに、茨城県内に本社機能を一部移転することも検討していく。

 足元、需給がひっ迫する半導体用スパッタリングターゲットや圧延銅箔・高機能銅合金条といった先端素材は、この先も予想される旺盛な需要環境に対応できる供給体制の早期構築が喫緊の課題となっている。また、新規事業として期待される結晶材料は、この先の「6G」時代における光通信の大幅な増加で飛躍的な成長が見込まれる。

 新工場への総投資額は、今後決定される設備投資の詳細に基づき精査していくが、現時点では2,000億円規模になる見込み。2025年度初頭より順次操業を開始し、最終的には500名以上の人的規模を有する一大主要拠点として、地域経済と雇用創出に貢献していく。

 JX金属の先端素材の多くが世界トップシェアを有しており、データ通信の高度化に不可欠であることから、その安定供給が世界中から強く求められている。今回の新工場建設は、これに資するきわめて重要な施策となる。これからもJX金属は、「2040年JX金属グループ長期ビジョン」で掲げる「技術立脚型企業」への転身に向けた施策を推し進め、先端素材で社会の発展と革新に貢献するグローバル企業を目指していく。

<新立地詳細>

所在地:茨城県ひたちなか市新光町

面積:約24万m2

製造する製品:(検討中):半導体用スパッタリングターゲット、圧延銅箔、高機能銅合金条、結晶材料、従業員数(予定):500名以上

稼働開始(予定):2025年度以降 順次稼働

 ニュースリリース