・ケミカルプロセス分野に納入
・極低温市場の環境負荷低減に寄与
・独自技術を用いた空気冷媒サイクルにより、業界トップクラスの極低温(~マイナス100℃)を実現
・環境や人体に安全なノンフロン冷媒の採用で地球温暖化を抑制、フロン排出抑制法の義務点検も不要に・ 膨張エネルギーの動力利用やインバーターの採用で低ランニングコストを実現
三菱重工グループの三菱重工冷熱(東京都港区)は3月10日、オゾン層破壊係数(ODP:Ozone Depletion Potential)、地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)ともにゼロの窒素(N2)冷媒を採用し、業界トップクラスの極低温領域まで対応可能な大容量型ブライン冷凍機を新たに開発したと発表した。このほど、有機化学品の生産などを手掛ける本荘ケミカル(大阪府寝屋川市)への納入を完了し、引き続き国内での拡販を進めていく。
同機は、独自の特許技術を用いた空気冷媒サイクルにより超低温、極低温領域(ブライン温度:マイナス45℃〜マイナス100℃)まで幅広く対応できる。また、機器搬送も容易な業界トップクラスのコンパクト化を実現している。圧縮・膨張機については、三菱重工グループが培った高いガスタービン技術を使用しており、空気が膨張冷却する際のエネルギーを回収し動力として活用することに加え、インバーター制御による省エネ化といった高い技術力による運転の安定化も実現している。
また同機は、環境負荷のない自然冷媒である窒素冷媒を採用したことで温暖化抑制に大きく寄与する。低温機器市場において、国内では2015年4月のフロン排出抑制法改正により機器の低GWP冷媒化が求められており、国際的にも2019年1月の「モントリオール議定書・キガリ改正」発効および改正オゾン層保護法の施行に伴い、代替フロンの生産および消費量の段階的削減が義務化されており、気候変動防止に向けた取り組みが一段と強化されている。
冷媒の選択肢が少ない超低温、極低温領域では未だにフロン冷媒を使用している冷凍機も多く、環境負荷低減の観点からノンフロン冷凍機へのニーズが高まっている。同機の冷媒には空気中に含まれる成分のうち約78%を占める窒素が使用されているため、環境や人体に対して安全。また、ノンフロン冷媒の採用によりフロン排出抑制法の義務点検も不要で、高圧ガスの製造や消費などについて規定する高圧ガス保安法も適用外。さらに圧縮・膨張機は、磁気軸受の採用により潤滑油が不要かつ寿命が半永久的で、保守・運用の面で顧客の負荷軽減にも貢献する。
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