IHIの米国グループ会社であるIHI Terrasun Solutions, Inc. (1) (以下、Terrasun)は3月7日、米大手発電会社であるPrimergy Solar LLC(2)(以下、Primergy社)より、米国最大規模の太陽光発電・エネルギー貯蔵システムで構成されるGeminiプロジェクトにおいて、蓄電池を含めたエネルギー貯蔵システムと,発電設備全体の同時制御を行うエネルギーマネジメントシステム(以下,EMS)を受注したと発表した。
同プロジェクトは、ネバダ州・ラスベガス近郊において、発電容量690MWの太陽光発電設備と、総ピーク出力380MW・総容量1,406MWhのエネルギー貯蔵システムで構成され、設備面積は約26.3km2に及ぶ。プロジェクト運用開始により、年間150万トンの二酸化炭素排出量が削減される見込み。
Terrasunは、同プロジェクトにおいて、太陽光発電設備から供給される余剰分の電気を捨てることなく蓄電池に効率よく貯めることが可能となるDCカップリング技術を採用し、各機器を制御するEMS全体を担当する。また、25年間にわたり,エネルギー貯蔵システムの保守・点検・メンテナンス等を行う長期ライフサイクルサービスを実施する。
IHIは製品・サービスを通じたカーボンニュートラルの実現のため、IHI/Terrasunが有するエネルギー貯蔵システム・EMSの技術を様々な再生可能エネルギーの利用システムに適用していく。
米国や豪州、中東など再エネ資源が豊富な地域においては、再生可能エネルギーから水電解により製造された水素を用いて、アンモニアを合成し,大量の再生可能エネルギーを効率的に日本へ輸送、利用する燃料アンモニアバリューチェーンの構築に取り組んでおり、今回のGeminiプロジェクトにおける大規模エネルギー貯蔵システムでの経験を,変動する再生可能エネルギーの安定利用に生かしていく。
(*1) IHI Terrasun Solutions, Inc.:
2020年1月,シカゴに設立され,北米およびその近隣地域において,再生可能エネルギーを有効利用するためのエネルギー貯蔵システムを提供する,IHIのグループ会社。
(*2) Primergy Solar LLC:
投資会社Quinbrook Infrastructure Partnersの子会社で,約20年にわたり,風力,太陽光,水力,バイオマス,メタン,バッテリー貯蔵を含む再生可能エネルギー設備の開発,所有,運営を行う発電会社で,19GWの発電容量規模を持っている。
コメントを投稿するにはログインしてください。