オキサイド、本社内に第5工場建設

 ㈱オキサイド(山梨県北杜市)は2月25日、本社敷地内に第5工場を建設すると発表した。同日付で適時開示したグリーンイノベーション基金の採択を受けて、次世代パワー半導体i材料SiC単結晶iiの溶液法iiiによる育成技術開発及び量産化に向けた準備を行うため、本社に隣接する同社敷地内に第5工場を建設することにした。

<新工場計画の概要>

所在地:山梨県北杜市

建築面積:1,248m2

床面積:1,248m2

投資額:4億円(概算)

資金計画:借入金で調達予定

着工:2022年6月予定

稼働開始:2022年12月予定

【用語説明】

i パワー半導体:交流から直流、直流から交流の変換、または交流周波数の変換、直流電圧の変換、電気の開閉など電 力を制御することに特化した半導体デバイス。CPU やメモリーに比べて、大きな電力を扱うため、パ ワーデバイスと呼ばれる。今後の電力制御に於いて、省エネ効果の向上が求められている。

ii 炭化ケイ素(SiC)結晶:炭化ケイ素単結晶は、IV族元素であるシリコンと炭素が 1:1 で結合した化合物半導体の一種で、高い 絶縁破壊電界強度(シリコンの 10 倍)と熱伝導率(シリコンの 3 倍)を持つことから、大きな電力 を扱う電力制御素子に於いてシリコンを上回る性能を有し、大幅な省エネルギー効果が見込め、CO2 削減への寄与が期待される半導体材料。

iii 溶液法:SiC 単結晶を製造する結晶成長方法の一つで、高品位の SiC 単結晶製造が期待される方法。SiCは、常圧では固体と化学組成が一致した融液が存在しないことから、シリコン半導体の様に融液から の結晶成長は行えないが、SiC を金属溶媒に溶解させ、過飽和を駆動力とした溶液成長(solution growth)は可能です。金属溶媒を適切に用いることにより、化学的平衡に近い状態を保って結晶成長 を行うことが出来、高品位の SiC 結晶を得られることが期待される。

 ニュースリリース