コベルコ建機、北米油圧ショベル工場を竹内アメリカに譲渡

・グローバル生産体制の見直し・強化の一環

 コベルコ建機は2月25日 、米国子会社であるコベ ルココンストラクション マシナリー ユー・エス・エー(英文名:KOBELCO CONSTRUCTION MACHINERY U.S.A. INC. 以下 KCMU)の北米工場(サウスカロライナ州 スパー タンバーグ郡)の土地、建物および付帯設備等を、㈱竹内製作所の米国子会社である TAKEUCHI MFG.(U.S.), LTD.(以下 TUS)へ譲渡することを決定し、KCMU と TUS の間で最終契約の締結を行ったと発表した。譲渡価格は、34,350 千米ドル (約 3,950 百万円)。

■譲渡の経緯
 コベルコ建機は、2013 年に米国市場に再進出し、米国子会社である KCMU を通じて販売を行っている。2015 年 1 月には、北米での販売台数とシェア拡大への対応と、日本の油圧ショベル生産の主力工場 である五日市工場の高負荷状況に対応するため、北米工場の建設を決定、2016 年 3 月より操業を開始し、 北米向け主力機種の生産を進めてきた。しかし、2021 年に北米市場向け油圧ショベル用エンジンの認証問題が発生したことから、同年 5 月より北米工場の稼働は停止しており、同工場の再稼働が可能となるのは最短でも今秋以降となっていた。このような状況の中、今回の売却先からコベルコ建機北米工場購入の打診を受け、自社で同工場を維持、再稼働するよりも譲渡することが企業価値の向上につながるものと判断した。なお、今回の譲渡に伴う業績に対する影響は軽微としている。

 コベルコ建機は、認証問題が発生した北米市場向けモデルの全てが生産停止となっていたが、今春より順次、代替エンジンを搭載した新モデルとして、油圧ショベルは五日市工場、クローラクレーンは大久保工場での生産を開始し、販売再開を進めていく。

 今回の譲渡による北米での事業活動に対する影響はないとし、代替エンジンを搭載した新モデルの 販売再開を梃子に、北米市場でのプレゼンス向上に向け、代理店リテール販売の強化やファイナンスの充実など、引き続き販売体制の強化にも注力するとしている。

 また、今回の北米工場の譲渡(閉鎖)は、競争が激化する市場環境にあわせたグローバル生産体制の見直し・強化の一環であり、生産能力の補完を含め、今後も、グローバル生産体制の見直し・強化に関 する検討を進めていく。

<譲渡資産の内容>
資産の名称及び所在地 :KCMU 北米工場の土地、建物及び付帯設備等 (米国 サウスカロライナ州 スパータンバーグ郡)
譲渡価格 :34,350 千米ドル (約 3,950 百万円) ※ 円換算額は、1米ドル=115 円に基づく概算額。
現況:北米工場は2021年5月 より稼働を停止している。

<コベルコ コンストラクション マシナリー ユー・エス・エー」の概要>

名称:コベルコ コンストラクション マシナリー ユー・エス・エー
KOBELCO CONSTRUCTION MACHINERY U.S.A. INC.(英文名) 所在地:本社 :米国 テキサス州 ケイティ市
北米工場:米国 サウスカロライナ州 スパータンバーグ郡
代表者の役職・氏名:社長 鈴木直人
事業内容:北米における油圧ショベルの生産、建設機械の販売・サービス
資本金:2,300米ドル
出資比率:コベルコ建機株式会社100%
設立年月日:2001年7月2日(2016年3月) (工場操業開始時期)

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