技研製作所、球磨川氾濫による道路擁壁の崩落現場、早期復旧に「ジャイロプレス工法」

 ㈱技研製作所(本社:高知市)は2月21日、同社の鋼管杭回転切削圧入工法「ジャイロプレス工法Ⓡ」が、2020年7月豪雨(熊本豪雨)による球磨川の氾濫で被災した国道219号の復旧工事に採用され、工事を完了しと発表した。

 豪雨で崩落した道路の擁壁の構築にあたり、他工法では仮設桟橋の構築が必要となり、工事が長期化するうえ、常時通行止めも避けられなかった本現場。「省スペース施工」「仮設レス施工」を実現するコンパクトな圧入機を2台同時に稼働させ、崩落地盤に直接、鋼管杭を連続圧入することで、通行止めを最小限に抑えつつ、洗堀や背面土砂の流出による路肩崩壊に耐える「インプラント構造Ⓡ※」の擁壁を急速構築した。

 熊本豪雨の被害は甚大で、今も応急復旧に留まり、地域の生活や産業に支障をきたしている被災現場が多数あり、本復旧が急がれている。球磨川沿いでは国道と県道の計約100kmで170箇所以上が同様の被害を受けた。多くの現場が本件のように圧入技術の優位性を発揮できる現場。

 粘り強いインプラント構造物をスピーディーに構築できる圧入技術は、熊本豪雨で同様の被害を被った福岡、長崎、大分県の各地でも採用されている。技研製作所は引き続き、強靭なインフラを被災現場に一刻も早く提供できるよう、地域のために技術提案を続けていく。

※ 圧入機で既成杭を地中に押し込み、地球と一体化した構造。一本一本の杭が地中深く根を張ることで、地震や津波、洪水などの外力に対し粘り強く耐える。詳細は、ニュースリリース