㈱ダイヘンは2月16日、EVなどに活用が進む超ハイテン材やアルミなどのマルチマテリアルの高品質接合に最適な溶接システムを開発したと発表した。
同システムは、極低スパッタ溶接システム「シンクロフィード溶接システム」の次世代モデルであり、自動車のEV移行に伴う軽量化によって求められる溶接部位の薄板化に代表されるような様々な金属接合の課題を解決する製品として大きく進化した。
これまでの極低スパッタ性能をさらに向上させたことは勿論のこと、溶接ビードの形成をコントロールすることで、ギャップ裕度を大幅に向上させ溶接の力強さと安定性、そして溶接ビードの外観にこだわり、美しく仕上げるしなやかさを兼ね備えた。
また、建機や住宅建材など中厚板を扱う業界で求められる高電流溶接も可能とし、多彩なモードにより各種材質に適用できることで、マルチマテリアル化への対応をはじめ、様々な業界の社会課題の解決に貢献する。
■背景
二酸化炭素(CO2)等の温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「脱炭素化」の流れが世界中で進んでおり、自動車業界においてはEVへのシフトが加速している。重量のあるバッテリーを搭載したEVの航続距離を延長するためには、車体軽量化が不可欠となる。軽量化のためには車体に使われる素材の薄板化や、従来とは異なる超ハイテン材やアルミ材の採用が増えていることから、マルチマテリアル対応が求められている。
また、構造の複雑化やワーク精度のバラつきによりギャップが拡大することはスパッタが多く発生する悪い条件となってしまうことから、これまで以上にスパッタの抑制と高品質な接合技術が求められる。
自動車だけでなく、建機や住宅建材などを含めた様々な業界が直面する課題に向き合い、これまで培ってきたダイヘンならではの技術を発展させ、さらに現場の課題を解決するための新しい技術を開発し融合することで、同システムが誕生した。
<販売計画>
販売開始:2022年2月
販売予定台数:1,500台/年
メーカ希望価格:8,500千円(FD-B6セット価格)
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