日鉄エンジニアリング、大分市下水汚泥燃料化事業を受注

「ジェイコンビ®」による低炭素・循環型社会への貢献

 日鉄エンジニアリング(東京都品川区)は2月18日、同社を代表とする企業グループ※1が、大分市上下水道局より「大分市下水汚泥燃料化事業を受注したと発表した。

 事業は、大分市内及び近隣自治体の下水処理場(計13カ所)※2から発生する下水汚泥を集約後、大在(おおざい)水資源再生センター敷地内に新たに建設する下水汚泥固形燃料化施設で固形燃料化し、バイオマスエネルギーとして有効利用を図ることで、持続可能な下水道事業の実現と、地球温暖化防止に資することを目的として大分市が実施する事業。同事業ではDBO方式が採用されており、日鉄エンジニアリンググループが施設の設計・建設、維持管理・運営を一括して受託する。

 なお、約20年間の維持管理・運営については、日鉄エンジニアリングを代表とする大分ジェイコンビシステム株式会社が実施する。

 日鉄エンジニアリンググループは、主に以下の点で高い評価を受け、今回の受注に至ったと考えている。

① 大分市を起点にした広域化による地域バイオマスの「地産地消スキーム」構築
② 13カ所の下水処理場から集約する「下水汚泥の性状変動への対応」
③ 周辺地域に配慮した「臭気対策」
④ 固形燃料化物の製造から利用までを含め全体で「年間2,700㌧のCO2排出量削減」に貢献

 同事業で採用された日鉄エンジニアリングの下水汚泥固形燃料化システム「ジェイコンビ®」は、汚泥に含まれる有機分のほぼ全てを回収することができる燃料変換率が高い造粒乾燥方式を用いており、ペレット利用先での温室効果ガス削減効果も高いことに特長がある。なお、同施設で製造するバイオマス燃料(固形燃料化物)は、大分市内の火力発電所および木質バイオマス発電所において有効利用される予定。

 日鉄エンジニアリングのジェイコンビ®の受注実績は、全国で7件目、またDBO方式では全国で5件目となる。

 日鉄エンジニアリングは、脱炭素社会の実現に向けて、2050年までにCO2実質排出量ゼロに取り組む地方自治体とともに、今後とも高まるバイオマスエネルギー有効利用のニーズを捕捉し、循環型社会システムの構築と地球温暖化防止に貢献していく。

※1:日鉄エンジニアリング(株)、ヴェオリア・ジェネッツ(株)、(株)タカフジ、梅林建設(株)で構成する 企業グループ。
※2:大分市内5カ所及び別府市、佐伯市、臼杵市(うすきし)、津久見市、豊後高田市(ぶんごたかだし)(2カ所)、杵築市(きつきし)、日出町(ひじまち)の8ヵ所。

<事業概要>
名称:大分市下水汚泥燃料化事業
所在地 :大分市大字志村2500番地の1大在水資源再生センター敷地内
契約金額:11,897百万円(税抜)〈設計・建設および維持管理・運営〉
事業方式:DBO方式(Design, Build and Operate)
事業期間:設計・建設 2022年 1月27日~2024年9月30日
維持管理・運営 2024年10月1日(予定)~2045年3月31日
処理能力:脱水汚泥90㌧/日(計画処理量29,600㌧/年)
構成及び協力企業・役割:下記①~④の通り
① 日鉄エンジニアリング(株)【代表企業】: 設計・建設業務※3、維持管理業務
② 梅林建設(株): 建設業務
③ ヴェオリア・ジェネッツ(株): 維持管理業務
④ (株)タカフジ: 汚泥燃料有効利用業務
※3:設計・建設業務は、日鉄エンジニアリングと梅林建設(株)の特定建設工事共同企業体により遂行予定。

<大分ジェイコンビシステム株式会社 会社概要>
設立:2022年1月25日
所在地:大分市三佐六丁目2番50号
資本金:50百万円
出資企業:下記①~④の通り
① 日鉄エンジニアリング(株)(代表企業)
② ヴェオリア・ジェネッツ(株)
③ (株)タカフジ
④ 日鉄環境エネルギーソリューション(株)

 詳細は、ニュースリリース