松屋アールアンドディ、約20億円投じてベトナムに新工場、事業拡大に向け現5工場を移転・集約

 松屋アールアンドディ(福井県大野市)は2月10日、同日開催の取締役会において、子会社である Matsuya R&D(Vietnam)Co.,Ltd.(以下、松屋ベトナム)において現在の5工場を全て集約した新工場を建設し、現在の工業団地から移転することを決議したと発表した。(拠点一覧

 現在、松屋ベトナムでドンナイ省アマタ工業団地内において、5つの工場全て(土地及び建物)をレンタルで保有しており、各工場で血圧計腕帯、カーシート、エアバッグを生産している。今回、近隣のホーナイ工業団地に新工場を建設し、同工業団地へ移転することにした。

・今後の需要増加への対応

 血圧計腕帯、カーシート及びエアバッグについて、松屋ベトナムでの生産委託は毎年増加しており、今後、更に大幅な増加が見込まれます。今回の新工場建設により従来の約2倍の生産面積を予定している。

・レンタル費用の削減

 ベトナムでは、世界各国の企業からの投資が相次いでいる背景から、土地、不動産の価格が上昇しており、工場のレンタル費用も年々高騰していることから、コスト上昇の要因の一つとなっている。新工場建設により自社工場を保有することで、年間のコストを大きく削減することが可能となり、新たに取得する固定資産(建物・土地)の減価償却費を加味しても現時点で1億円以上のコスト削減が見込まれる。

・工場の効率化

 現在、ドンナイ省ビエンホア市アマタ工業団地内で5つの工場をレンタルしている。これまで別々に点在していた5つの工場を、新工場1ヵ所に集約することで、警備などの管理費の削減及び工程の効率化により、レンタル費用とは別に費用削減効果が見込まれる。

・資金計画について

 土地及び建物の取得にあたり、借入を予定している。返済には毎年のレンタル費用の削減分 170百万円を主な返済財源とする予定であり、効率化によるコスト削減も含めることで、年間のキャッシュ・フローは負担が生じることなく、逆に良化する見込みでいる。

・Matsuya Innovation Center(以下、MIC)の拡充

 松屋ベトナムの研究開発拠点である MICの拡充を図り、AI ロボット、システム、ソフトの開発販売、優秀なエンジニアの人材派遣など事業の拡大を狙い、研究開発投資を行っていく予定。

・スマートファクトリーの実践

 新工場において業界初のスマートファクトリー実践のため、更なる自動化に取り組む予定。将来的には国内回帰を促すことを目標としている。

<新工場計画の概要>

所在地:ベトナム国ドンナイ省ホーナイ工業団地内

設備投資内容:土地取得及び工場・事務所棟・研究開発棟の建設

土地取得相手先:HO NAI INDUSTRIAL ZONE JSC

投資予定額:約 20 億円(土地:8 億円 建物:12 億円)

資金計画(予定):借入金(借入について決定した際には別途、適時開示)。

土地に関する契約締結:2022 年2月 25 日

工事開始:2022年5月頃

新工場稼働:2023年9月頃

 ニュースリリース