古河機械金属の機械事業、21年4〜12月期売上は15.4%増の571億円

 古河機械金属が2月9日に発表した2022年3月期第3四半期(2021年4〜12月)連結業績によると、産業機械、ロックドリルおよびユニックの機械事業の合計売上高は、571億69百万円(前年同期比15.4%増、76億25百万円増)、営業利益は、34億39百万円(同40.0%増、9億82百万円増)となった。産業機械部門および ユニック部門は、増収減益となったが、前年同期に営業損失を計上したロックドリル部門は、増収で利益計上 となったため、全体では、増収増益となった。

 古河機械金属2022年3月期第3四半期(機械事業)データ

 4〜12月期の我が国経済は、海外経済の回復を背景とした 輸出の増加が、製造業を中心に企業収益や設備投資の改善に寄与し、また、新型コロナワクチンの接種の進展や、 新型コロナウイルス感染症の急速な感染拡大を受けて発出されていた緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置が、9月末に全都道府県で解除されたことにより、個人消費についても回復傾向となった。一方、半導体や主要部品の不足、原材料価格やエネルギーコストの上昇、コンテナ輸送能力の不足による運賃高騰など世界的なサプラ イチェーンの混乱が、企業の生産活動に及ぼす影響に加え、欧米各国で過去最多の感染者数を記録した感染力の強い新型コロナウイルスの変異株が、国内においても急速に拡大しつつあり、国内経済の先行きに不透明感が高まる 状況となっている。

<産業機械>

 産業機械部門の売上高は、128億77百万円(前年同期比10.7%増、12億49百万円増)、営業利益は、8億42百万円(前年同期比19.6%減、2億4百万円減)となった。第3四半期期末の受注残高は、亀戸駅前歩道橋架替工事(東京都江東区)や中央自動車道新小仏トンネル工事向け密閉式吊下げ型コンベヤ(SICON®)などの受注があったが、 マテリアル機械やプロジェクト案件の受注残高が減少したため、前年度末に比べ減少した。小名浜港 湾国際バルクターミナル向けの荷役設備や中央新幹線第一首都圏トンネル新設(北品川工区)工事向け密閉式吊下げ型コンベヤ(SICON®)等について、出来高に対応した売上高を計上した大型プロジェクト案件や橋梁などのコン トラクタ事業は、増収となった。また、マテリアル機械は、増収となりましたが、部品、オーバーホールなど の減収により、減益となった。

<ロックドリル部門>

 ロックドリル部門の売上高は、227億13百万円(前年同期比31.0%増、53億72百万円増)、営業利益は、6億28百万円(前年同期は9億45百万円の損失)となった。前年同期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたが、当期は国内外ともに増収となった。特に、海外については、円安による増収効果に加え、主として、北米におい て、米国政府の追加経済対策による公共工事の発注、住宅着工の増加などを背景に、企業の設備投資意欲が改善し、建設機械需要は旺盛となっており、油圧ブレーカ、油圧クローラドリルの出荷が大幅に増加した。

<ユニック>

 ユニック部門の売上高は、215億77百万円(前年同期比4.9%増、10億4百万円増)、営業利益は、19億68百万円(前年同期比16.4%減、3億86百万円減)となった。国内では、主として、昨年度設備投資を抑えていた広域レンタル会社や業販向けが、投資意欲の回復により増加したが、第2四半期後半から、海外部品の調達難に伴うトラックの生産遅延、減産によりクレーン架装に遅れが生じており、ユニッククレーンの出荷は前年同期並みとなり、鋼材など原材 料価格の値上げ等により原価率は悪化し、減益となった。海外では、中国において、ユニッククレーンの出荷が増加し、増収となったが、北米においては、ビル建設用の資材不足により多くの建築現場が閉鎖され、市場の回復が遅れているため、ミニ・クローラクレーンの出荷が減少し減収となったことや、コンテナ輸送能力の不足による運賃高騰もあり、減益となった。

 古河機械金属の2022年3月期第3四半期決算短信