㈱アマダが2月10日に発表した2022年3月期第3四半期(2021年4〜12月)連結業績によると、売上収益は217,158百万円(前年同期比 26.5%増)となった。うち、国内は79,922百万円(同9.4%増)、海外は137,235百万円(同 39.1%増)となった。
営業利益は、増収及び操業度向上に伴う売上利益増加に加え、販売費及び一般管理費の抑制継続、為替の円安推移等により、26,552百万円(同 40.2%増)となり、親会社の所有者に帰属する四半期利益が20,201百万円 (同 47.1%増)となった。
4〜12月期における世界経済は、ワクチン接種の普及や政府の財政政策、中央銀行による金融緩和等により、先進国を中心に回復を示し、同様に設備投資についても大きく改善した。但し足元では、新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大や長引く労働力不足、部品・材料の供給制約の問題などの影響が顕在化しつつあり、依然として先行き不透明感を払拭できない状況が続いている。
■事業別・地域別の概況
①金属加工機械事業
売上収益は177,748百万円(同 26.7%増)、営業利益は21,537百万円(同 24.3%増)と増収増益だった。
<板金部門>
日本:日本経済は、外需の回復等により企業活動の正常化が進む中、製造業の業況も回復基調を示し、機械受注は新型コロナウイルス感染拡大前の水準を超えて推移している。一方で年度後半に入り、部品不足や材料高騰、オミクロン株の感染拡大等を背景に、増勢は弱まりつつある。アマダにおいても財政政策の後押しも受け、半導体製造装置や工作機械・その他産業機械などの一般機械関連や5Gを背景と したOA・コンピュータ機器や通信機器、その他医療機器等、様々な業種で需要が増加した。そのような需要環境の中、売上収益は供給制約の問題に加え、比較的納期の長い政府補助金受注等も多く見 られたため、54,346百万円(同 7.8%増)となった。
北米:米国経済は、足元では利上げやインフレの継続といった懸念事項が出ているが、政府による財政政 策や金融緩和、ワクチン接種の進展などにより新型コロナウイルス感染拡大前の水準に拡大しており、 設備投資も製造業新規受注指数や鉱工業生産指数が高水準での推移を続けるなど、概ね堅調に推移した。アマダにおいても企業の設備投資意欲が高まる中、労働力不足を背景に自動化商品の需要拡大も後押ししたことで販売が増加し、売上収益は44,253百万円(同 32.7%増)となった。
欧州:欧州経済はワクチン接種が進む中、各国のGDPも概ね高成長が見られた。ユーロ圏の景況感指数 はオミクロン株の感染急拡大や供給面の制約の見られた足元では下がったものの高水準をキープしてお り、特に製造業を含む鉱工業は高い数値を示している。このような中、アマダにおいてもベンディン グマシンなどで納期に一部影響が生じたが、水素エネルギー関連や充電ステーション等のEV関連 や半導体製造装置、医療機器、農機具等が需要を牽引したことで、イギリス・フランス・イタリア・ド イツ等の各主要市場で大幅増収となったことから売上収益は37,237百万円(同 51.6%増)となった。
アジア他:世界的な半導体等の需要高騰の後押しにより、輸出が好調な台湾や韓国においては、半導体製造装置や電子機器関連向け等で販売が大幅に増加した。中国でも、足元で鈍化は見られるものの設備投資の成長は持続しており、アマダにおいても主に外需向けに5G投資関連、EV関連、医療機器などが好 調に推移し、内需向けに再生可能エネルギー関連向けなどの販売が好調に推移した。また、インド でも経済活動の正常化に伴い、インフラ・建設関連を筆頭に設備投資が回復したことから、販売がV字 回復を示した。一方でASEANは、タイやベトナムでのロックダウンの影響等により、販売の伸びは他の国々に比べ緩やかだったが、地域全体としての売上収益は23,028百万円(同 41.2% 増)と好調に推移した。
<微細溶接部門>
全地域で増収だったが、特に韓国や中国などでは主力のリチウムイオン電池関連の好調が寄与した。また、 北米では自動車関連に加え、医療機器業界でも販売が増加した。
②金属工作機械事業
売上収益は38,479百万円(前年同期比26.3%増)、営業利益は4,366百万円(同 636.5%増)と増収増益だった。
国内では鋼材や建築資材加工向けに切削マシンや形鋼加工機の販売が拡大した。海外においても経済回復や鋼材需要の高騰に伴い、鋼材販売業向けに切削マシンの販売が大幅に増加した。
大口顧客である自動車関連業界では、前年同期が新型コロナウイルス感染拡大により大きく落ち込んだため、増収となっているが、半導体等の供給面での制約を起因とする自動車の減産・生産調整によって顧客の設備投資意欲にも停滞感が見られた。一方で建築関連向けの販売は好調に推移した。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
連結業績予想については、現時点では下記のとおり2021年11月11日に公表した予想値に変更はない。
売上収益3,100億円(前期比23.8%増)、営業利益380億円(同42.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益270億円(同45.4%増)。
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