DMG森精機が2月10日に発表した2021年(1〜12月)連結業績によると、売上収益は3,960億円(前期比20.6%増)、営業利益は231億円(同116.1%増)、税引前当期利益は196億円(同284.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は135億円(671.0%増)となった。
連結受注額は、4,560億円と、グローバルでの経済活動の急回復も反映して、前年度比63%増と 大きく改善した。2021年度末の機械本体受注残高は1,640億円となり、前年度末の960億円から680億円増加した。1台当たりの受注平均単価は、5軸加工機の需要増、大型自動化案件の増加およびデジタル化などの価値提 案の向上により、再び上昇基調に入った。また、修理復旧・補修部品事業の受注も、顧客の稼働率向上により、前年度比24%増となった。
地域別の機械受注金額は、欧州が前年度比2.0倍と大きく回復した。日本も、四半期ごとに需要の回復傾向 が鮮明となり、通期では同89%増となった。その他、米州が同51%増、中国が同73%増、中国を除くアジアが 同42%増と、グローバルに工作機械需要の拡大が継続している。
産業別の受注動向は、特に、半導体製造装置 関連、宇宙関連、金型、電気自動車(EV)などが好調。また、昨年来落ち込んでいた民間航空機関連、エネル ギー関連向けでも引合いが出始めている。同社の直販・直サービスの強みを背景に、工程集約機を中心に、自動化、ターンキー化を促進し、2022年度も更なる受注の拡大を目指す。
同社は、経営理念にも掲げている通り、工作機械・独自領域・内製コンポーネント・周辺機器などのハードウエア及びソ フトウエアと、加工システムの構築・高効率な加工プロセスの提案・保守保全・ファイナンスなどのサービスを組 み合わせた最善の加工オートメーションを提供し、顧客の生産性向上に貢献することを、目指している。
2022年1月には、「DMG森精機製造株式会社」を設立し、伊賀・奈良工場の製造機能を分社した。各組織の責任・役割を明確にし、機能別に緻密な業績・採算管理を行うことでグループとして効率を上げ、同社グ ループの更なる企業価値向上を目指していく。
また、生産体制の再編・強化にも取り組んでいる。日本国内では、従来2拠点で行っていた工作機械の組立を伊賀工場に集約する一方、奈良工場を工作機械業界 最大のシステムソリューション工場にしていく。海外では、エジプト・カイロでの工場建設に出資しているほ か、天津工場建屋の増設、上海近郊の平湖での新工場建設を進めている。
■次期の見通し
今後の経営環境においては、受注が2021年比で増加を見込んでいる。同社グループでは、開発・製造・販売・修理復旧の各分野での活動を通じ、さらなる企業価値の向上に努めていく。
次期業績(連結)の見通しは、売上収益4,300億円(前期比8.6 %増)、営業利益400億円(同73.4%増加)、親会社の所有者に帰属する当期利益250億円 (同85.7%増)。
米ドルレートは110.0円、ユーロレートは130.0円と想定している。
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