ナブテスコが2月10日に発表した2021年(1~12月)連結業績は、国内外で移動制限の影響が継続したことにより航空機器、鉄道車両用機器では需要が減少したものの、産業用ロボット向け精密減速機では、自動車産業を中心とした世界的な設備投資が旺盛であったこと、及び建設機械向け油圧機器においても、中国市場における上半期での高い需要等が貢献し、連結売上高は299,802百万円(前期比7.3%増)、営業利益は30,017百万円(同5.2%増)となった。また、㈱ハーモニック・ドライブ・システムズの持分法適用除外に伴う評価益等を計上したことにより、税引前当期利益は101,966百万円となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は64,818百万円となった。なお、受注高は、同6.2%増の303,928百万円となった。
■セグメント別概況
<コンポーネントソリューション事業>
コンポーネントソリューション事業の受注高は、前期比23.9%増加し140,855百万円となった。売上高は、前期比25.7%増加し138,130百万円、営業利益は、同29.6%増加し22,903百万円となった。
精密減速機は、自動車産業を中心とした世界的な設備投資が旺盛であったことにより、産業用ロボット向けで高い需要が継続した。また、工作機械、半導体製造装置等の一般産業向けの需要も拡大し、売上高は前期比で増加となった。
建設機械向け油圧機器は、中国市場で下期に需要の減退がみられたものの、通期では過去最高の需要であったことに加え、欧米・東南アジア市場が回復し、売上高は前期比で増加となった。
<トランスポートソリューション事業>
トランスポートソリューション事業の受注高は、前期比12.8%減少し65,973百万円となった。売上高は、前期比13.2%減少し67,744百万円、営業利益は、前期に連結子会社OVALO GmbHにおける固定資産の減損損失3,421百万円を計上していたこと等により、前期比68.3%増加し5,617百万円となった。
鉄道車両用機器は、新型コロナウイルスの影響により、中国向け案件の入札遅れや、国内の新車案件及びMRO(Maintenance, Repair, Overhaul)の需要が低迷し、売上高は前期比で減少となった。
航空機器は、民間航空機の大幅な減産の影響に加え、防衛装備品調達計画の谷間により需要が低迷し、売上高は前期比で減少となった。
商用車用機器は、国内外における需要が堅調に推移し、売上高は前期並みとなった。
舶用機器は、国内外においてMROが堅調に推移し、売上高は前期比で増加となった。
<アクセシビリティソリューション事業>
アクセシビリティソリューション事業の受注高は、前期比5.7%減少し75,313百万円となった。売上高は、前期比2.0%増加し75,108百万円、営業利益は、同1.2%減少し7,642百万円となった。
自動ドア事業は、プラットホームドアにおいて国内鉄道事業者の投資先送りの影響を受けたものの、国内外の建物用ドア需要が堅調に推移し、売上高は前期並みとなった。
<その他>
その他の受注高は、前期比28.6%増加し21,787百万円となった。売上高は、前期比6.0%増加し18,820百万円、営業利益は、同17.5%増加し2,736百万円となった。
包装機は、外食産業不振の影響により国内で需要は伸び悩む一方、海外の需要増加により、売上高は前期比で増加となった。
■2022年12月期の見通し
2022年12月期連結業績は、引続き自動車産業における旺盛な設備投資により産業用ロボット向け精密減速機の高い需要が継続すること、国内外での食品及び化成品の包装機需要が好調であること、更にトランスポートソリューション事業でもコロナ禍の低迷を脱し、緩やかな需要回復が見込まれることから、売上高は前期比6.7%増の320,000百万円、営業利益は前期比9.9%増加の33,000百万円を見込んでいる。
<コンポーネントソリューション事業>
コンポーネントソリューション事業の売上高は前期比9.9%増加の151,800百万円、営業利益は前期比15.3%増加の26,400百万円を見込んでいる。
精密減速機は、世界の自動車産業における積極的な設備投資を受け、産業用ロボット向けで高い需要が継続するとともに、一般産業においても、自動化ニーズの更なる増加が見込まれることから、売上高は前期比で増加の見通し。
建設機械向け油圧機器は、中国市場で需要減少が予測されるものの、欧米・東南アジア市場で販売拡大を見込んでおり、売上高は前期並みの見通し。
<トランスポートソリューション事業>
トランスポートソリューション事業の売上高は前期比8.1%増加の73,200百万円、営業利益は前期比17.5%増加の6,600百万円を見込んでいる。
鉄道車両用機器は、中国需要の回復を見込むものの、国内市場での車両生産への投資抑制が継続すると予測されることから、売上高は前期並みの見通し。
航空機器は、民間航空機向けでは下期からの需要回復を見込み、売上高は前期比で増加の見通し。
商用車用機器は、堅調な国内市場に加え、東南アジア市場で需要回復が見込まれ、売上高は前期比で増加の見通し。
舶用機器は、造船・海運市況の好調を受け、新造船向け及びMROの堅調な需要を見込み、売上高は前期比で増加の見通し。
<アクセシビリティソリューション事業>
アクセシビリティソリューション事業の売上高は前期比2.4%減少の73,300百万円、営業利益は前期比7.1%減少の7,100百万円を見込んでいる。
自動ドア事業は、前期に引き続き国内鉄道事業者によるプラットホームドア投資先送りの影響を見込むものの、国内外建物用ドアにおいては堅調な需要の継続を見込み、売上高は前期並みの見通し。
<その他>
その他の売上高は前期比15.3%増加の21,700百万円、営業利益は前期比6.0%増加の2,900百万円を見込んでいる。包装機は、環境意識や生活様式の変化に伴い、国内外においてパウチ包装需要が更に高まり、売上高は前期比で増加の見通し。
(セグメント別参考データ)2021年12月期通期連結業績および2022年12月期通期連結業績計画
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