三井E&Sマシナリー、世界最大級24,000TEUコンテナ船対応ポーテーナとニアゼロエミッション型トランステーナを5基受注

 

 ㈱三井E&Sマシナリーと米国子会社であるPACECO CORPは2月9日、米国カリフォルニア州ロングビーチInternational Transportation Service LLC(ITS社)より、大型岸壁用コンテナクレーン5基(Ship to Shore Gantry Crane、商品名:ポーテーナ)及び将来のゼロエミッション化を見据えたニアゼロエミッション型タイヤ式門型クレーン(Rubber Tyred Gantry Crane、商品名:トランステーナ)5基を受注したと発表した。

 ポーテ-ナについては70m超のアウトリーチを備え、世界最大級である24,000TEUクラスのコンテナ船への対応が可能となる。同クレーンはロングビーチ港及び隣接するロサンゼルス港エリアにおいて最大級のクレーンとなり、ITS社の荷役能力増強への寄与が期待される。加えて、安全かつ継続的な荷役を実現するため、センサーを用いた荷役中のコンテナ衝突防止装置等の安全装置を装備する。

 トランステーナについては、将来、容易にゼロエミッション化改造が可能であるニアゼロエミッション型を採用された。ニアゼロエミッション型は、現行のハイブリッド型と比較し、より大型のリチウムイオン電池を搭載することで従来は熱に換えて放出していた荷役時の回生エネルギーを最大限再利用することを可能とし、ディーゼルエンジン発電機セットを最小化している。将来水素供給インフラが普及した際には、最小化されたディーゼルエンジン発電機セットを水素燃料電池パワーパックに換装することで容易にゼロエミッション化を達成することが可能。 ロングビーチ港及びロサンゼルス港では2030年迄に港湾エリアより排出されるディーゼル排気ガスをゼロとするClean Air Action Plan(CAAP)が進められており、今回のニアゼロエミッション型トランステーナは将来のゼロエミッション化への第1ステップとして採用された。三井E&Sマシナリーでは港湾の脱炭素化の実現を目指し先駆的にゼロエミッション型トランステーナの開発に取り組んできた。また米国における世界初の長期的な運用実証事業にも参画する。

 三井E&Sマシナリーは1980年代以降現在までに、ITS社にポーテ-ナ®15基及びトランステーナ®約30基を納めてきた。今回はポーテ-ナの大型化への対応及びトランステーナの将来のゼロエミッション化への優位性に加え、長年にわたる納入実績より、故障率の低さに伴うライフサイクルコストを評価され、選定された。

 三井E&Sマシナリーは今後も高品質な製品を提供し顧客の事業を支えるとともに、クリーンな荷役機器を提供するクレーンメーカーのパイオニアとして、港湾の脱炭素化に取り組んでいく。

 詳細は、ニュースリリース