ヤマシンフィルタが2月4日に発表した2022年3月期第3四半期(2021年4〜12月)連結業績によると、売上高は141億88百万円(前年同期比36.5%増)となり、営業利益は 11億13百万円(前年同期は1億46百万円の営業損失)、経常利益は10億78百万円(前年同期は1億33百万円の 経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は88百万円(前年同期は3億84百万円の親会社株主に帰属する する四半期純利益)となった。
第3四半期連結累計期間(2021年4月1日~2021年12月31日)における世界経済は、各国における経済活動の再開により新型コロナウィルスの影響からの回復が進む一方で、原材料価格の高騰や新型コロナウィルスの変異株 の感染拡大の懸念など依然として先行きの見通せない状況が継続している。
このような環境の中、主力事業である建機用フィルタ事業における建設機械市場においては、各国経済の回復に向けたインフラ投資や資源需要の増加に伴う、建機の稼働時間の増加と新車需要の回復により、第3四半期連結累計期間におけるヤマシンフィルタの売上高は大幅に増加した。しかしながら利益面では、世界的なコ ンテナ需要の急増に伴う海上輸送費の高騰や航空費用の発生及び原材料価格の高騰に加え、2021年12月16日にフィ リピン南部において発生した台風22号によりフィリピン子会社YAMASHIN CEBU FILTER MANUFACTURING CORP.において生じた被害により増益幅が減少した。
また、第3四半期連結累計期間において、ヤマシンフィルタは、引き続きロングライフのフィルタ製品やタンク内 の気泡を除去するエアレーション技術、フィルタの汚染度や交換頻度を感知するセンサ技術を搭載したフィルタ製品の主要得意先への積極的な提案を進めており、各建機メーカの新機種への製品供給が開始されている。
さらに、主要市場である北米市場においては、世界最大手建機メーカに対するヤマシンフィルタの燃料用、トランスミッショ ン用フィルタ等の新規提案・採用が進展し、中国市場においては、中国系建機メーカへのリターンフィルタ製品を主軸としたヤマシンフィルタ製品の新規採用実績は増加しており、本業である建機用フィルタ事業の更なる成長が見込まれる。このような事業環境下で、今後ロジスティクスの正常化や原材料高騰の調整や原価低減により、利益面の改善 を図っていく。
エアフィルタ事業においては、ビル・工場用エアフィルタの交換需要の低迷などにより減収減益となったが、今後の経済活動の回復に伴うビル空調用フィルタ需要の回復や新規物件の着工件数の増加により収益の改善が見込 まれる。また、新たにロングライフであり低圧損、高捕集率のナノファイバー製エアフィルタ(製品名 :NanoWHELP)や溶菌・酵素エアフィルタの、オフィスビルや病院、工場、鉄道車両等への採用に向けた取り組みを加速させるとともに、欧米市場でのエアフィルタ性能の規格(米国規格ASHRAE、欧州規格EN等)を取得し、海外市場の開拓にも取り組んでいく。
ヘルスケア事業においては、市場環境の大幅な変化等により、今後の需要については極めて不透明であり、事業 の継続性が極めて困難であることを踏まえ、同事業に投資したすべての固定資産について、減損損失9億19百万円 を特別損失として計上した。今回の対処によりヘルスケア事業の利益改善に向けた抜本的な事業構造改革 を一気に進めるとともに、グループ全体での収益性の改善を早急に進めていく。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
下記のとおり2021年12月10日に公表した2022年3月期の通期連結業績予想に変更はない。
売上高19,130百万円(前期比31.1%増、前期14,587百万円)、営業利益1,950百万円(前期△145百万円)、経常利益1,920百万円(前期△135百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益430百万円(前期750百万円)。
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