芝浦機械、21年4〜12 月期売上は21.3%増の782億円、通期予想は22%増の1,130億円

 芝浦機械が1月31日に発表した2022年3月期第3四半期(2021年4〜12 月)連結業績によると、受注高は1,203億1千5百万円(前年同期比85.8%増)、売上高は781億9千7百万円(同21.3%増)となった。損益については、営業利益は30億6千1百万円(前年同期は営業損失1億2千1百万 円)、経常利益は31億3千8百万円(前年同期は経常損失3億8千4百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は21 億8千1百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失8億8千8百万円)となった。

 2021年4〜12月期における世界経済は、米国など先進国を中心に回復基調で推移したものの、新型コ ロナウイルス感染再拡大、需要の急増を背景としたサプライチェーンの混乱、中国の回復停滞が見られるなど、 第3四半期後半では回復ペースが鈍化した。わが国経済は輸出や生産に持ち直しの動きが続いていたが、中国の回復停滞や自動車の減産などにより、第3四半期後半では足踏みが見られた。

 芝浦機械グループを取り巻く経済環境は、地域や業種により景況感に差異はあるものの、国内、北米、中国などを 中心に設備投資需要の回復が進んでいる。また、世界的に脱炭素化などの社会課題解決に向けた動きが加速し ていることを背景として、EV、再生可能エネルギー、労働生産性向上などに関連した需要の拡大が見られる。

 このような経済環境のもとで、芝浦機械グループは中期経営計画である「経営改革プラン」に基づき、高収益企業 への変革に向けて、組織再編を中核とした経営改革、成長分野に対応した投資の推進、資本効率(ROE)の向上を目指した財務戦略の実行に取り組むとともに、社会課題を解決する高付加価値商品の創出と高効率な生産の実現に 向けたDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進している。また、脱炭素化や環境関連ニーズの高まりに対し、EVや再生可能エネルギー向けの製品や環境調和型製品などの開発・生産・販売への対応強化を進めた。

 芝浦機械2022年3月期第3四半期データ

■セグメント別の概況

<成形機事業>[射出成形機、ダイカストマシン、押出成形機など]

 射出成形機の販売はインド、東南アジア、 中国などで増加した。受注は国内、北米、インド、 東南アジアなどで増加した。ダイカストマシンの販売は中国などで自動車向けが増加した。受注は国内、中国、東南アジア などで自動車向けを中心とした設備投資需要が回復したことにより、増加した。押出成形機は、EV関連の設備投資需要の拡大に伴い、中国のリチウムイオン電池向けセパレータフィ ルム製造装置の販売および受注が大幅に増加した。

 この結果、成形機事業全体の受注高は895億4千9百万円(前年同期比87.3%増)、売上高は555億7百万円(同24.6%増)、営業利益は27億5千9百万円(同206.1%増)となった。

 <工作機械事業>[工作機械(大型機、門形機、横中ぐり盤、立旋盤など)、超精密加工機など]

 工作機械の販売は中国の産業機械向けおよび風力発電向けが増加したものの、国内の産業機械向け が減少した。受注は国内、北米、中国の産業機械向けおよび風力発電などエネルギー関連向けが増加した。超精密加工機の販売は中国、台湾の光学系金型向けが大幅に増加した。受注は国内、中国の光 学系金型向けなどで大幅に増加した。

 この結果、工作機械事業全体の受注高は226億6百万円(前年同期比89.0%増)、売上高は163億8千1百万円(同13.9%増)、営業損失は2千7百万円(前年同期は営業損失10億1千万円)となった。

<制御機械事業>[産業用ロボット、電子制御装置など]

 制御機械の販売および受注は国内の半導体製造装置向けなどで電子制御装置が増加した。この結果、制御機械事業全体の受の受注高は74億1百万円(前年同期比86.4%増)、売上高は55億8千8百万円(同32.1%増)、営業利益は2億2千2百万円(前年同期は営業損失1億2千1百万円)となった。

<その他の事業>

 その他の事業全体の受注高は7億5千7百万円(前年同期比24.9%減)、売上高は7億1千9百万円(前年同期比45.1% 減)、営業利益は7千8百万円(同23.2%増)となった。

■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明

 通期の業績については、2021年11月9日に公表した下記業績予想を変更していない。

 売上高1,130億円(前年度比22.0%増)、営業利益43 億円、経常利益30億円、親会社株主に帰属する2020年度純利益28 億円。

 芝浦機械の2022年3月期第3四半期決算短信