オークマが1月31日に発表した2022年3月期第3四半期(2021年4〜12月)連結業績によると、受注額は159,071百万円 (前年同期比79.8%増)、連結売上高は122,733百万円(同39.8%増)、営業利益は8,953百万円 (同299.7%増)、経常利益は9,447百万円(同249.6%増)、親会社株主に帰属する四半期 純利益は6,895百万円(同約11.2倍)となった。
2021年4~12月期の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が残り、一部の国や地域、産業で弱さが見られたものの、総じて回復基調で推移した。
工作機械の需要はV字回復となった。経済活動の再開に伴い、抑制されていた需要が発現したほか、高まる自動化・省人化のニーズ、そしてデジタル化や脱炭素化の潮流も相まって急速に拡大し、欧米を中心とした海外景気の回復とあわせ、工作機械の需要は急回復した。他方、電子部品を中心とした調達問題は、当該期間を通じて生 産面や販売面に影響を及ぼしている。
市場別の動向については、米国市場は、自動車、建設機械、農業機械、産業機械等、多くの産業で設備投資の動きが広がり、需要は堅調に推移した。第2四半期後半以降では、半導体製造装置関連、民間航空・宇宙関連、 資源・エネルギー関連、医療関連においても設備投資の動きを本格化させる動きが見られた。設備投資は中・小 規模事業者にも裾野が広がり、工作機械の需要の回復は大きく進んだ。
欧州市場では、経済活動の正常化等を背景に、自動車関連、産業機械を中心に工作機械の需要の回復が進んだ。南欧諸国においてもEU復興基金等、経済対策の後押しもあり、設備投資の活発化が進んだ。また東欧、トル コ等の周辺国においては、航空機、農業機械、大型車両等の大手企業からの受託加工で大規模な設備投資が見られた。
中国市場では、建設機械関連に一服感が見られたものの、自動車関連、産業機械関連からの需要は拡大基調で推移 した。風力発電等の環境関連分野の設備投資は続き、またEV関連では、大手企業で設備投資を本格化する動きが 見られ、それに伴い中・小規模事業者へ需要の裾野は広がった。
中国以外のアジア市場では、新型コロナウイルスの感染拡大により経済活動が停滞する中、工作機械の需要は一進 一退の動きが続いた。
国内市場では、半導体製造装置関連からの旺盛な需要が続き、自動車関連では、部材調達問題に伴う完成車メーカ の減産の影響が一部で見られ、未だに完全な回復には至っていないものの、設備投資は回復基調で推移した。 建設機械、油圧・空圧機器、産業機械等に設備投資の動きが広がる中、第3四半期は補助金効果の発現により需要は 堅調に回復した。
このような経済環境の下、オークマグループは、グローバルでの顧客獲得、業務効率向上による収益確保と体質強化 を図ると共に、自動化・無人化の対応力、デジタル革新、ものづくりDXのトータルソリューション提供を推し進め、 コロナ禍を機に一層高まる自動化・無人化、環境対応・脱炭素化のニーズに応えてきた。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
今後の世界経済については、新型コロナウイルス感染の拡大など、不確実性は継続する中、一進一退はあるものの、緩やかな回復が続くと予想される。工作機械の需要動向については、従来の労働力不足への対応に加えて、非接触での安心、安全のための自動化・無人化のニーズが拡大し、工作機械の需要はグローバルに堅調に推移することが見込まれる。また、本格化する脱炭素社会への移行により、風力発電等、再生可能エネルギーの社会インフラ構築等は新たな成長領域となり、EV 関連の設備投資は本格化しつつある。更に、グローバルに様々な産業が直面する半導体等の調達リスクや地政学 的リスクの回避に向けたサプライチェーンの再編、多極化による需要の分散・増加によって、米州・欧州における生 産加工設備の需要増が見込まれる。
このような社会変化、経営環境の変化が見込まれる中、オークマグループは、これまで培ったスマートマシン、スマートマニュファクチャリング技術を土台に、自動化・無人化、工程集約、デジタル革新、ものづくりDX、脱炭素化へ の取り組みを進め、機械、制御、加工技術、システム構築等、エンジニアリングチェーンの全てに亘り、顧客と新 たな価値を創造する「総合ものづくりサービス」を展開していく。
2022年3月期連結業績予想は、売上高1,670億円(前期比35.3%増)、営業利益140億円(同190.4%増)、経常利益145億円(同165.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益105億円(同402.8%増)。
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