住友重機械工業が1月31日に発表した2022年3月期第3四半期(2021年4~12月)連結業績によると、受注高は7,898 億円(前年同期比40.6%増)、売上高は6,811 億円(同13.5%増)となった。損益面については、営業利益は441 億円(同21.5%増)、経常利益は 429 億円(同27.7%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は 283 億円(同37.2%増)となった。
4~12月期における取り巻く経営環境は、国内においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響が一部残るものの製造業を中心に設備投資に回復が見られ、海外においては、米国や欧州などで経済の回復を背景に設備投資が回復し、世界的に機械需要は増加基調となった。一方、新型コロナウイルス感染拡大の影響が残る一部の地域や業種では回復の動きが遅く、二極化の動きが見られた。また、これに加え、原材料や調達品の価格上昇と需給逼迫、米中貿易摩擦の深刻化、地政学上のリスクの継続及び原油価格の変動など、不透明感が残る状態でもあった。
このような経営環境のもとではあるが、住友重機械工業グループは「中期経営計画2023 」を策定し、製品・サービスによる社会課題解決を通じて持続的に企業価値を拡大することを目指し、強靭な事業体の構築、企業価値向上のための変革、 SDGs への貢献拡大、環境負荷低減への取組み強化などの施策を推進してきた。
■各部門別状況
なお、「中期経営計画2023 」の方針を踏まえ、 2022 年3月期より報告セグメントを変更している。この変更に伴い、当社グループの報告セグメントは「機械コンポーネント」、「精密機械」、「建設機械」、「産業機械」、「船舶」、「環境・プラント」から、「メカトロニクス」、「インダストリアル マシナリー」、「ロジ スティックス コンストラクション」、「エネルギー ライフライン」に変更した。また、前第3四半期連結累計期間前年同期 の数値については、新セグメントの区分に組替えている。
①メカトロニクス部門
国内や欧米で中小型の減・変速機やロボット用精密減速機、モータの需要が増加し、受注、売上、営業利益ともに増加した。この結果、受注高は 1,465 億円(前年同期比 47 %増) 、売上高は 1,176 億円(同 21 %増) 、営業利益は 48 億円(同 109 %増)となった。
②インダストリアル マシナリー部門
プラスチック加工機械事業は、中国の電気電子関連や欧州での需要増加により、受注、売上、営業利益ともに増加した。その他の事業では、半導体関連の需要が増加したことから受注は増加したものの、半導体関連の受注残が前年に比べ減少したことから売上、営業利益ともに減少した。この結果、受注高は 1,992 億円(前年同期比58 %増)、売上高は 1,637 億円(同 11 %増)、営業利益は 132 億円(同1%増)となった。
③ロジスティックス コンストラクション部門
油圧ショベル事業は、国内市場が堅調であったことや北米地区の需要が増加したことから、受注、売上、営業利益ともに増加した。その他の事業では、建設用クレーン事業が、国内や北米地区の需要が回復してきたことから、受注、売上、営業利益ともに増加したが、運搬機械事業は、造船や鉄鋼関連の需要回復が遅れていることから、受注、売上、営業利益ともに減少した。この結果、受注高は 2,979 億円(前年同期比 50 %増) 、売上高は2,491 億円(同 18 %増) 、営業利益は 133 億円(同 16 %増) となった。
④エネルギー ライフライン部門
エネルギープラント事業は、バイオマス発電設備の大型案件を受注したことなどから受注は増加し、受注残があったことから売上、営業利益ともに増加した。その他の事業では、受注は増加したが、売上は減少し 、営業利益は前年並みとなった。この結果、受注高は 1,415 億円(前年同期比6%増) 、売上高は 1,463 億円(同5%増) 、営業利益は 111 億円(同 35 %増)となった。
⑤その他部門
受注高は47 億円 前年同期比9%増 、売上高は 45 億円(前年同期比1%増)、営業利益は 18 億円(同 37増)となった。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2021年 10月29日の決算短信で下記の通り公表した 2022 年3月期の連結業績予想については、修正していない。
売上高9,500億円(前期比11.9%増、前回予想8,700億円)、営業利益600億円(同16.9%増、同500億円)、経常利益570億円(同15.0%増、460億円)、親会社株主に帰属する当期純利益340億円(同27.0%増、270億円)。
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