ファナック、21年4〜12月売上は44.0%増の5,402億円、通期予想は31.7増 の7,262億円に上方修正

 ファナックが1月26日に発表した2022年3月期第3四半期(2021年4〜12月)連結業績によると、売上高5,402億50百万円(前年同期比44.0%増)、営業利益1,399億46百万円(同114.4増)、経常利益1,615億34百万円(同114.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,187億72百万円(同114.6%増)となった。

 4〜12月におけるファナックグル ープを取り巻く状況については、製造業全般において新型コロナウイルス感染症の影響等で減少していた設備投資が回復し活発に行われるようになった。しかし、世界的なサプライチェーンにおける半導体等の部品の不足による生産活動への影響が長期化する等、先行き不透明な状況が続いている。

 このようななか、ファナックグループにおいては、新型コロナウイルスの感染拡大防止を最優先としつつ、顧客への商品の供給とサービス活動の継続に努めてきた。

 ファナック2022年3月期第3四半期データ

■部門別概況

<FA部門>

 CNCシステムの主要顧客である工作機械業界の需要は、堅調だった中国に加えて欧米でも増加する等、各主要市場で堅調に推移し、CNCシステムの売上も増加した。レーザについては、海外メーカとの厳しい競争が継続している。これらの結果、FA部門の売上高は 1,638 億 54 百万円(前年同期比 56.0%増)となった。

<ロボット部門>

 中国で IT 関連、EV、重機、建機向けを中心に売上が堅調に推移した。米国でも一般産業向けおよび EV 関連の需要を取り込んだ自動車産業向けが堅調であったほか、欧州でも一般産業向けが好調に推移し、売上が増加した。また、国内でも、低調だった前年同期に比べ売上が増加した。これらの結果、ロボット部門の売上高は 1,980 億 70 百万円(前年同期比 38.1%増) となった。

<ロボマシン部門>

 ロボドリル(小型切削加工機)は、中国でパソコン、 タブレット市場向けの旺盛な需要を受け、売上が増加した。ロボショット(電動射出成形機)は、IT 関連、医療市場向けの需要が好調に推移し、売上が増加した。ロボカット(ワイヤ放電加工機)も、IT 関連、自動車部品市場向けの需要が好調に推移し、売上が増加した。これらの結果、ロボマシン部門の売上高は 1,092 億 29 百万円(前年同期比 54.0%増)となった。

<サービス部門>

 売上が例年並みに回復している。サービス部門の売 上高は 690 億 97 百万円(前年同期比 23.7%増)となった。

■連結業績予想に関する説明

 半導体等の部品の不足により先行き不透明な状況が続くものの、FA、ロボット、 ロボマシンの各部門において、様々な分野で旺盛な需要が見込まれることから、 2022年3月期通期の業績予想を以下のとおりとした。

 売上高7,262億円(前期比31.7増)営業利益1,865億円(同65.8増)、経常利益2,147億円(同66.8増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,593億円(同69.4増)。

 ファナックの2022年3月期第3四半期決算短信

 第3四半期決算説明資料