東洋機械金属、21年4~12月期は売上43.8%増の240億円、通期は25.3%増の311.5億円に上方修正

 東洋機械金属が1月26日に発表した2022年3月期第3四半期(2021年4~12月)連結業績によると、受注高は27,364百万円(前年同期比39.8%増)、売上高は24,074百万円(同43.8%増)となった。このうち、国内売上高は5,513百万円(同12.2%増)、海外売上高は18,560百万円(同57.0%増)となり、海外比率は77.1%となった。

 利益については、長期化する部材供給不足に伴う生産制約や海上運賃値上がりの物流コスト増の影響を受けたが、売上高の増加により営業利益は1,341百万円(前年同期は営業損失440百万円)、経常利益は1,475百万円(前年同期は経常損失363百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は907百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失395百万円)となった。

 2021年4~12月期における世界経済は、新型コロナウイルス感染症が続く中、ワクチン接種の普及が進むにつれ、経済活動の段階的な再開により消費活動の正常化が進んだが、新たな変異株の感染症が拡大するなど依然として予断を許さない状況で推移した。また、製造業においては、半導体部品を始めとする一部の製造部品の供給不足による影響で生産活動の停滞や原材料価格、輸送費の高騰などが顕在化してきており、先行きは不透明な状況で推移した。

 東洋機械金属に関連する業界は、新型コロナウイルス感染症や需要の波の影響によるサプライチェーンの停滞により、部品調達が不安定ではあるが、国内の設備投資は回復基調で推移した。また、海外では中国をはじめ、アジア、米国、欧州で需要は回復した。このような市場環境のもと、東洋機械金属グループは2024年3月期を最終年度とする第3期中期経営計画に基づいた事業活動を推進し、中長期的な視点からの持続的な成長と安定した収益確保に取組んでいる。

■製品別の売上状況

[射出成形機]

 射出成形機については、国内は、自動車関連の需要が減少したものの雑貨や容器類などの生活用品や医療機器関連が増加した。また、海外においては、中国でのIT電子機器や医療機器関連の小型機が増加した。また、アジアでの自動車関連や欧州における生活用品関連の中大型機が増加した。その結果、売上高は18,542百万円(前年同期比41.1%増)となった。

[ダイカストマシン]

 ダイカストマシンについては、国内は自動車関連の需要が回復し増加した。海外においては、中国やアジアで自動車関連が増加した。その結果、売上高は5,531百万円(前年同期比54.0%増)となった。

■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明

 通期の連結業績予想については、第3四半期連結累計期間の実績を踏まえ、前回予想から以下の通り上方修正した。売上高は前期比25.3%増の31,150百万円(前回予想30,000)、営業利益1,550百万円(同1,200)、経常利益1,730百万円(同1,250)、親会社株主に帰属する当期純利益1,020百万円(同850)の見込み。

 売上高は海外経済の回復を背景に成形機の需要が堅調に推移したことから、前回予想を上回る見込みとなった。営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する四半期純利益は、長期化する部材供給不足に伴う生産制約や海上運賃値上がりの物流コスト増の影響があるものの、売上高の増加により前回予想を上回る見込み。

 東洋機械金属株式会社の決算情報