川崎重工業は1月12日、鹿児島県霧島市より「(仮称)霧島市クリーンセンター整備・運営事業」を受注したと発表した。DBO方式〔Design(設計)、Build(建設)、Operate(運営)〕にて発注され、霧島市クリーンセンターの設計・施工業務、運営業務(20年1ヶ月間)を行う。
霧島市をはじめ、地域の理解を得ながら、将来にわたり安全で安定したごみの適正処理や、周辺環境への配慮を最優先とする事業運営を進めていく。
施設は、既存施設の隣接地に建設され、2026年2月に完成する予定。1日あたり140t(70t/24h×2炉)の処理能力を有し、AIによる画像解析を活用した運転支援・遠隔監視システム「KEEPER※1」を導入する。加えて、改良型自動燃焼制御「Smart-ACC®※2」を搭載した川崎重工独自の並行流焼却炉に、高温高圧ボイラと抽気復水式蒸気タービンを組み合わせた高効率発電を行うことで、施設内の消費電力を賄うとともに、一般家庭の年間使用量約3,200軒分に相当する余剰電力を売電し、積極的なエネルギーの利活用につとめる。
また、霧島市の豊かな自然と調和する「先進性」の表現や、来場者に「未来」を連想させる建築デザインの採用とともに、見学者の年齢や立場などに配慮した環境教育の場を創生し、従来のごみ処理施設のイメージを払拭した4R・地域防災・地域活性化・環境学習・SDGsへの取り組みを発信する拠点として、開放的で市民に愛されるクリーンセンターを目指す。
なお、施設の設計・施工業務は、川崎重工を代表とした東洋建設との共同企業体と地元企業の㈱協和設計事務所が行い、運営業務は、川崎重工と川重環境エンジニアリングが出資する特別目的会社「グリーンパーク霧島株式会社」が行う。
川崎重工は、ストーカ式焼却炉をはじめとした各種廃棄物処理技術を有しており、国内で半世紀以上にわたり多くの一般廃棄物処理施設を手掛けている。今後も多様化する環境問題やニーズに応えるため、積極的な技術開発と販売活動に取り組んでいく。
※1 KEEPER : ごみ焼却施設から離れたサポートセンターにおいて、ベテラン技術者による運転状況の監視および支援を行う当社グループ独自開発の遠隔監視システム。
※2 Smart-ACC® : ごみ焼却施設を従来に比べてより高効率で安定した発電施設として機能させるための当社独自の高度燃焼制御技術。
■事業の概要
事業名: (仮称)霧島市クリーンセンター整備・運営事業
発注者:鹿児島県霧島市
契約金額: 264億1,650万円(消費税込み)
【建設事業】
受注者:川重・東洋特定建設工事共同企業体
建設場所:鹿児島県霧島市国分敷根地内
設備概要:エネルギー回収型廃棄物処理施設
ストーカ式焼却炉 140t/日(70t/24h × 2炉)
蒸気タービン発電機 3,000kW×1基
完成予定日 :2026年2月28日
【運営事業】
受注者:グリーンパーク霧島株式会社
〔構成企業:川崎重工業株式会社・川重環境エンジニアリング株式会社〕
運営期間:2026年3月1日~2046年3月31日
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