スギノマシン、真空乾燥機「EVADRY(エバドライ)」の新規種を発売

・自動化・省人化ニーズに対応
・消費電力が少なく、CO2排出量削減にも貢献

 産業機械メーカーの㈱スギノマシン(富山県魚津市)は1月11日 、真空を利用し、自動車などの金属部品に付着した水分を乾燥させる真空乾燥機「EVADRY(エバドライ)」の新機種、「EVADRY EVD-22A」の販売を開始したと発表した。

 自動で開閉するオートシャッタを搭載し、ロボットやコンベアによる自動搬送に対応した。一般的な乾燥方法であるエアブローと比較して消費電力が非常に少なく、カーボンニュートラルの実現に向けたCO2排出量削減にも貢献する。

■装置概要

 ワークに付着した水を、真空を利用して蒸発させる小型乾燥機。気圧が下がると、水は100℃よりも低い温度で沸騰する。この原理を利用し、EVADRYは機内の気圧を真空まで下げることで、部品の深部やタップ穴に残る水分まで徹底的に蒸発させて乾燥する。一般的な乾燥方法であるエアブローと比較して、消費電力が非常に少ないことが特長で、昨今叫ばれている消費電力・CO2排出量削減の動きにも貢献する。

 また、今回発売となった新機種「EVD-22A」は、オートシャッタを搭載している。これにより、ロボットやガントリーローダでのワーク搬送が可能となり、自動化・省人化のニーズに対応する。

■開発背景

 自動車などの部品の生産工程で、ワークに水分が付着していると、錆やシミが発生している。それを防ぐため、水分が付着したワークには作業者が手作業でエアブローを行い、水分を吹き飛ばしてワークを乾燥させることが一般的。

 しかし、近年カーボンニュートラルの実現に向けてCO2排出量削減が叫ばれている中、エアブローは消費電力が非常に大きいことが問題視され始めている。エアブローに必要な圧縮空気の製造は、工場における総電力消費の2割を占めると言われており、エアブロー工程を削減することで、消費電力の削減を図る動きがある。

 このような背景から、エアブローを必要とせず、真空を利用してワークに付着した水分を乾燥させる「真空乾燥機」の新機種の開発に取り組んだ。また、手作業でのエアブローは品質にバラつきが発生してしまうことや、工場における人手不足の背景などを考慮し、自動化・省人化のニーズにも応えられる真空乾燥機の開発を目指した。

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