2022年 年頭ご挨拶
2022年1月4日
昨年は、新型コロナウイルス感染症の再拡大や、世界的な半導体不足など、事業を取り巻く環境が不安定かつ大きく変動した年となりました。一方で、カーボンニュートラルへの機運が一気に高まり、日本をはじめとする各国政府や企業によるCO2削減や省エネルギーに向けた取り組みが加速した年でもありました。
当社の商品は、軸受をはじめ、摩擦を減らしてエネルギーロスを低減するエコ商品であり、社会の省エネルギー化、CO2削減に貢献しています。今後は、商品の提供だけでなく、経営、製造、開発、調達などにおいても脱炭素に向けた取り組みをさらに進め、持続可能な社会に必要とされる企業を目指してまいります。
本年は、次の取り組みに注力してまいります。
経営においては、持続的な成長を目指し、ESGへの取り組みを強化します。マテリアリティ(重要課題)に関する目標(KGI)とKPIを設定し、本年から、目標の達成に向けて取り組みを進めてまいります。また、気候変動に関する活動として、昨年5月にTCFDの提言に賛同を表明しました。当社商品の提供を通じて再生可能エネルギー市場の発展や自動車の電動化などに貢献するほか、生産や調達における脱炭素の取り組みを進めます。気候変動が事業にもたらすリスクと機会のシナリオ分析を進め、経営戦略や事業活動に反映してまいります。
各事業においては、固定費の削減や調達改革を通じた比例費の低減を進め、収益性の向上を追求し、需要環境に依存せず、安定して利益を確保できる財務体質への変革を進めてまいります。
アフターマーケット事業では、確実な販売拡大につなげるよう供給力の強化を図ります。昨春より本格的に稼働した汎用品在庫の常備システム「FIRST」を活用し、物流の整流化や常備在庫の拡充を図ることで、需要の変動に迅速に対応できる即納体制を構築します。また、リモートによる技術サポートや軸受の異常を検知する「NTNポータブル異常検知装置」を活用したサービスの展開など、商品とサービスを組み合わせたビジネスの展開を進め、事業拡大につなげてまいります。
産業機械事業では、建設機械や農業機械をはじめとする主要分野の急速な需要回復に対応し、着実な収益の拡大につなげてまいります。また脱炭素化を背景に、市場の成長が期待される風力発電分野においては、状態監視サービスや超大型軸受の展開をさらに強化するなど事業拡大に取り組んでまいります。
自動車事業では、NTNの高い技術力を活かし、EV車向けのアクスル、CVJの販売拡大を進めるとともに、コア技術とシステムを組み合わせたEV向け高機能商品の開発に注力します。また、需要の回復時にしっかりと対応できるような生産体制を構築します。
研究開発においては、今後成長が期待される分野での活動を加速させてまいります。特にサービス・ソリューション分野において、軸受のセンサ化によるモニタリングサービスなど、ハード(商品)とソフト(サービス)を組み合わせた新しいビジネスモデルの構築に取り組んでまいります。
本年は、収益体質の改善に注力し、将来の成長に向けた種まきへの取り組みを進めることで、変化する社会において必要とされる企業を目指すとともに、持続可能な「なめらかな社会」の実現に貢献してまいります。
最後になりましたが、皆さまとご家族のご健勝を祈念して、私の年頭の挨拶といたします。
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