新春を迎え謹んでお慶びを申し上げます。会員各社ならびに関係省庁、関係団体の皆様には平素より、日本建設機械工業会の活動に格別のご支援とご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
昨年は新型コロナウイルス感染症が猛威をふるい、世界中で多くの方が感染し、また亡くなられました。ここに亡くなられた方々に謹んでお悔みを申し上げます。新型コロナウイルス感染につきましては、医療体制が逼迫する程の急拡大後、しばらく新規感染者の発生が低位で推移しました。しかし昨年後半には変異株の感染拡大が懸念されるなど、今後も感染症はかたちを変えて続くものと想定されます。引き続き適切な感染対策を実施し感染リスクを低減させていくしか無いと思っております。
さて建設機械の市場動向については、昨年8月に当工業会から令和3年度(2021年度)、令和4年度(2022年度)の建設機械需要予測を発表致しました。令和3年度(2021年度)全体の通期需要予測は、国内は微増、輸出が大きく牽引し全体では前年度比15%増加という、前年度からの回復が鮮明と想定されています。実際に月次金額ベースの出荷統計では、国内市場は4月から微増・微減を繰り返し、輸出は毎月連続しての大幅増加、10月までの出荷金額合計では前年比38%増加と大幅な回復状況です。このように昨年末時点での世界需要は、大幅に回復傾向にありますが、新型コロナウイルス変異株の感染拡大懸念や、部品調達難、海外市場間物流の停滞と、それらに起因する物価上昇などが影を落としています。このような新たな事象が発生し、市場への供給対応に不足や遅延が想定される状況にありますが、建設機械産業は社会資本の整備に資する建設機械本体や部品、サービスを安定して提供することが使命であり、市場からの要求に対応できるよう引き続き注力していかなければなりません。さらに益々要請の強まるカーボンニュートラル社会の実現に向けて、製品面では環境負荷の低い建設機械が求められ、施工プロセス面では労働力不足や熟練労働者の減少による生産性の維持をはかるための、ICTを活用した情報化施工の普及もはかる必要があります。
当工業会では激しい外部環境の変化に対応するため、昨年はコロナ禍においてもWEB会議などのツールを最大限活用し、各委員会や部会は精力的に活動を致しました。具体的にはカーボンニュートラル社会の実現にむけて、会員各社の製品開発面、製造プロセス面での活動推進を支援するため勉強会を関係各省のご協力を頂き開催致しました。また各種説明会や講演会で過去最高の聴講者数を記録するなど、WEBツールの特性を活かした成果を出し、当工業会ホームページも全面リニューアルを実施し、情報の発信力や利便性を向上させております。本年も見通しの難しい時期において、昨年度の事業計画の仕上げと新たな事業計画を策定する重要な年となります。当工業会の設立理念である「調和と発展による世界への貢献」ならびに「共生と競争」のもと、新しい工業会の事業活動を考え、変革して社会に貢献して参りたいと思います。
最後になりますが、新型コロナウイルスの感染症が早期に収束し、安心して生活できる社会を回復すること、そして皆様にとって良い一年となりますように祈念いたしまして年頭のご挨拶とさせて頂きます。
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