昨年も世界的な新型コロナウイルス感染症の流行が続き、直近ではオミクロン変異株の発生などもあり、世界経済は依然として不透明不確実な状況となっています。
このような状況下、当社の建設機械・車両部門においては、昨年は、新型コロナウイルス感染症の影響が縮小し、中国以外の地域において一般建機・鉱山機械共に需要が好調に推移しました。半導体やコンテナ不足の影響をグローバルクロスソーシングの活用などにより吸収し、新車需要の拡大を着実に取り込んだ一方で、原材料価格や物流費の高騰による大きな影響を受けました。これらの影響を販売価格アップやコスト低減により最小限に抑えると共に、中期経営計画で掲げる成長戦略を着実に実施してまいります。
世界的に気候変動への意識が高まる中、当社は 2050 年までに CO2 排出を実質ゼロとするカーボンニュートラルに向けた取り組みに関する長期ビジョンを新たに掲げました。また気候変動や社会の要請に誠実に対応する当社の姿勢を明示するため「サステナビリティ基本方針」を策定しました。
本年3月期を最終年度とする 3 カ年の中期経営計画においては、超大型油圧ショベル「PC7000-11」の遠隔操作と無人専用運搬車両との協調による半自動化作業など、自動化・自律化、遠隔操作化の取り組みを着実に推進しました。電動化については、いかなる動力源でも稼働可能なパワーアグノスティック超大型ダンプトラックのコンセプトを発表しました。また交換式バッテリーを活用した電動マイクロショベルは本年春の量産化を目指して共同開発を進めました。20 トンクラスの油圧ショベルの電動化については、お客さまの現場での実証実験を行うなど、量産化に向けて着実に取り組みを進めました。低炭素社会の実現に向けて、石炭依存度の低減を図るため、坑内掘り石炭(ソフトロック)向け鉱山機械の生産再編を進めると同時に、坑内掘りハードロック向け鉱山機械の開発については、「No Blasting(発破の必要がない掘削性能), No Batch(バッチ処理をおこなわない連続掘削), No Diesel(ディーゼル不使用)」というスローガンを掲げて取り組みました。
本年 4 月からは次期中期経営計画がスタートします。現中期経営計画の策定当時と比べ、気候変動への対応に対する要請の更なる高まりや、米中競争の激化、新型コロナウイルス感染症の影響など、当社を取り巻く外部環境は大きく変化しています。これらの変化を、リスクとしてだけでなく、当社の製品・サービス・ソリューションの高度化というビジネスチャンスと捉え、お客さまやパートナー企業と共に、DX 推進やカーボンニュートラルに取り組み、成長戦略へ結び付けてまいります。コマツは今後も「品質と信頼性」を追求し、当社の存在意義である「ものづくりと技術の革新で新たな価値を創り、人、社会、地球が共に栄える未来を切り拓く」ことを目指してまいります。最後になりましたが、皆さまにとって素晴らしい1年になりますように、心より祈念いたします。
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