日立造船、SBE(Steinmüller Babcock Environment)グループを子会社化

 日立造船は12月8日、取締役会において、日立造船の連結子会社でごみ焼却発電やバイオガス施設の設計、建設、保守・運営などを展開するHitachi Zosen Inova AGスイス チューリッヒ、以下、HZI)が、欧州で廃棄物発電施設の設計・調達・建設・メンテナンス、火力発電所等向け排ガス処理設備の設計・調達・建設を展開するSteinmüller Babcock Environment GmbH(シュタインミュラー・バブコック・エンバイロメント有限会社、ドイツ グマスバッハ、以下、SBE)の株式を取得し、子会社化することを決議したと発表した。

 これにより、HZI は、SBE の株主である日鉄エンジニアリング(東京都品川区)との間で、12月9日に株式譲渡契約を締結する。また、同取引により、SBE の完全子会社でごみ焼却発電施設のアフターサービスおよび建設業務を展開するSteinmüller Babcock Montaż Sp. z o.o.ポーランド グリビツェ)も日立造船の連結子会社となる。

 なお、同取引は、届出が必要となる競争当局の許可、表明保証違反の不存在、会計監査報告書の受領等の必要な手続きの完了その他一般的な前提条件を満たすことなどを実行の条件としている。

 SBE グループは、ドイツ、フィンランドやスウェーデンなどの北欧諸国でのごみ焼却発電関連の豊富な実績と、焼却ラインなどの機器供給における高い競争力を有している。HZI は、これまで英国やスイス、中東、ロシアなどの市場でごみ焼却発電施設の豊富な納入実績を有しているが、SBE グループとは得意とする市場や製品セグメントが異なっており、本取引により相互補完することができ、日立造船グループの重要戦略である海外でのサービス・メンテナンスの拡大に寄与するものとなる。

 株式取得後は、HZI とのシナジーにより収益性の高い基幹改造工事、サービス・メンテナンス事業の強化、プロジェクト管理の強化、調達力の強化、管理コストの削減等を図り、SBE の早期黒字化を目指すとともに、欧州において、HZI が得意とする焼却炉のサービスに加えて、SBE グループが得意とするボイラー関連のサービスを含めたサービス・メンテナンス市場での更なるシェア拡大を目指す。

 日立造船グループは、今後もごみの衛生的な処理やクリーンエネルギー技術を通じ、国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)達成や世界の環境問題解決に積極的に取り組んでいく。

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