川崎重工業は12月6日、自社開発した最大出力機種の30MW級純国産高効率ガスタービン「L30A」を用いた副生水素混焼のコージェネレーション設備を西部石油㈱山口製油所(山口県山陽小野田市)に納入し、2021年8月に営業運転開始後、順調な稼働を続けていると発表した。
川崎重工は、同設備の設計、主要機器の供給、据付工事一式を請負った。設備は、主要機器である「L30A」ガスタービン1基、排熱回収ボイラ1基などで構成され、発電出力は34,150KW。石油製品の生産過程で発生する副生水素を含むオフガスを燃料として利用し、水素量の割合を20~50vol%で混焼することが可能。石油精製工程で欠かすことのできない電力・蒸気の安定供給と高効率発電を実現するとともに、副生水素を有効活用したエネルギーコスト低減とCO2排出量削減にも大きく貢献する。
水素は、燃料として利用する際にCO2を排出しないため、将来的には環境にやさしい究極のクリーンエネルギーとしての役割を担うことが期待されている。今後、水素エネルギー利用の導入期においては、本設備と同様に天然ガスと混焼して水素を利用することが見込まれる。
また、1~30MW級の中小型ガスタービンに強みを持つ川崎重工は、すでに水素を100%燃料とする水素専焼ガスタービンの実証試験にも成功しており、顧客の将来的なエネルギー施策に合わせて、水素混焼もしくは専焼を提案できる水素発電技術を開発している。
地球温暖化の抑制に向けて世界中で脱炭素の取り組みが加速する中、エネルギー市場では高効率・省エネルギーの要求がますます高まっている。川崎重工は今後も、顧客のニーズに応えるため、保有する多彩なエネルギー製品の特長を活かした総合的なエネルギーソリューションを提供することで、地球環境の未来に貢献する。
詳細は、ニュースリリース
コメントを投稿するにはログインしてください。