ヤンマー、草刈作業を自動化するロボットトラクター「YT488A」を鹿児島空港へ納入

 ヤンマーホールディングスのグループ会社であるヤンマーアグリジャパン(本社:大阪市、以下YAJ)は11月26日、国交省が推進する空港内緑地部の草刈自動化施工の導入において、興和ビルメンテナンスを通して鹿児島空港へYTトラクター「YT488A ロボット仕様(以下ロボットトラクター)」を2台納入したと発表した。今後、国が管理する対象空港へ順次納入する。

 YAJは、農家の担い手確保、ノウハウの継承が課題となっている農業の省力化・自動化の実現に向け2018年にSMARTPILOTシリーズ※1の第一弾としてロボットトラクターを発売した。GNSSなどの位置情報を元に作業区域・ルートを登録し、タブレットによる操作指示のみで設定ルートを自動走行し作業を行う。

 今回のロボットトラクターの採用により、これまで有人の操縦による草刈機(トラクター)で行っていた空港における草刈・集草作業を自動化することで、作業者不足の解消が期待されている。

 今後、2022年3月までに鹿児島空港を含む全国の空港5箇所に合計10台の納入を予定※2している。

空港での草刈自動化施工について

 空港着陸帯などの地表面には、航空機の安全な運用を目的に植生が施されている。着陸帯の維持管理費における草刈関係の割合が41%を占めている※3。また、航空機の運行時間外での作業が中心となり、時間的制約や対応者の確保などの課題があった。これらの課題に対して、アグリ事業の開発と興和ビルメンテナンスが共同で空港草刈作業におけるロボットトラクターの活用効果を検証し、YAJによる納入が実現した。 今後は、鹿児島空港を皮切りに、丘珠空港、北九州空港、八尾空港、那覇空港の5箇所に順次納入していく。

ロボットトラクターの主な特長

 専用のタブレットで、複雑な入力をすることなく自動作業の設定、開始/停止が可能。

 事前に設定した経路において、ステアリング操作、作業機昇降、前進・後進切替え、停止、PTO入・切、車速調整などを自動で行う。

 レーザーや超音波で物体との距離を計測する安全センサーを搭載し、人の接近や障害物を検知すると条件に応じて自動で減速・停止する。

※1ヤンマーの自動運転技術を搭載した農業機械シリーズの総称。

※2大阪航空局、東京航空局の入札案件において興和ビルメンテナンスが落札し、段階的な導入を予定。

※3出典:国土技術政策総合研究所資料「建設残土地盤上の空港着陸帯の植生技術に関する研究」

 画像:ロボットトラクター「YT488A」空港仕様

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