日本電産、OKK の第三者割当増資引受と資本提携契約締結を発表

 日本電産は 11 月 18 日、OKK (本社:兵庫県伊丹市)による第三者割当増資の引き受け株式引受等を決議し、OKK と株式引受等に係る資本提携契約を締結したと発表した。株式引受額は約55億円。

■株式引受の理由

 株式引受により、日本電産グループの既存事業である工作機械の分野で、製品の相互補完が可能となる。特に、2021年8 月にグループ入りした日本電産マシンツールの工作機械事業の要素技術開発、製造、営業面等においてシナジーがあると見込んでいる。株式引受後、OKK は日本電産の工作機械事業において重要な位置づけを持つ会社となる。

 OKK は創業 100 年を超える老舗の機械メーカーとして、創業期の渦巻ポンプ、水道メーターの製造に始まり、繊維等時代に必要とされる事業を営み成長しており、近年ではあらゆる産業の基盤となる工作機 械事業を中心に展開し、そのマザーマシンとしての汎用性を伴う基礎的加工能力の高さで、幅広い業種の 顧客の信頼を得ている。

 しかし、同社は従前の国内における営業活動に傾注し、変化の激しい海外 展開を先延ばしにしてきた結果、業務効率改善の遅れもあり、工作機械業界全体の外需比率の高まりに 追随できず、事業規模の縮小という問題に直面。構造改革に取り組んだ結果、一定の効果が見られつつあった段階で、新型コロナウィルス感染症蔓延による国レベルでの経済的人的封鎖が行われた影響を受け、2021 年 3 月期の業績は非常に厳しい状況にある。

 OKK は今回の増資により日本電産の傘下となって、新たなスタートを切り、今後は総合工作機械メーカ ーとして、品揃えを増やして営業力を強化するとともに、生産能力も速やかに増強していく予定。

 OKK の強みである汎用性の高いマシニングセンタと、日本電産マシンツールの門形五面加工機や横中ぐりフラ イス盤などの大型機を組み合わせることにより、小さな部品の加工から大きな部品の加工まで、フルライン ナップで様々なサイズの加工ニーズに対応可能となるため、OKK 及び日本電産マシンツール(以下、両社)としての切削除去加工に対する総合的な提案力が格段に増すと考えている。加えて、OKK は、日本電産グループの事業ノウハウやネットワークを活用することで、国内における販売先の拡充に留まら ず、グローバル展開も可能となり、OKK の活躍するフィールドは飛躍的に拡大するものと考えている。

 技術面についても、OKK は主に小型から中型の汎用的なマシニングセンタを製造する一方、日本電産マ シンツールは日本における歯車機械のトップメーカーであるだけでなく、門形五面加工機や横中ぐりフライ ス盤等の大型機、微細加工の先端技術を駆使したレーザー加工機、金属 3D 積層装置や各種専用機・特 殊機も製造しているため、両社の技術を集結させることで、両社が現状の製品ラインナップとして保有して いない製品についても、将来的な市場投入が期待できる。

 生産面については、両社の製造拠点を活用 した効率化や生産能力の拡大が見込め、また国内及び海外で両社が協働する生産拠点への投資も可能 であると考えている。

 日本電産は、株式引受後、日本電産マシンツール (滋賀県栗東市)の展開する工作機械事業の更なる拡大を視野に入れており、適切なタイミングで必要な場所に必要な投資を行うことで同事業のグローバル成長を加速させるこ とが可能だと考えている。日本電産グループと OKK のそれぞれが持つ技術力、ブランド力、顧客基盤 を相互に活用してグローバルベースでの工作機械市場の発展に貢献したいと考えているとしている。

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